図説 やさしい建築設備
内容紹介
建築設備は表面に現れないことが多いのでイメージしづらく関心を持ちにくい。本書では一目でわかるように設備のしくみを図解し現場写真を多数掲載。項目ごとの簡潔な解説により初学者でもわかりやすい構成となっている。また実務でも使える簡単な計算問題や設備図面、建築士等の試験対策問題も掲載。設備の入門書として最適。
体 裁 B5変・208頁・定価 本体2800円+税
ISBN 978-4-7615-2665-8
発行日 2017/12/01
装 丁 KOTO DESIGN Inc. 山本剛史
Chapter 1 建築設備の概要
1 建築設備とは
2 建築設備の工事と手法
3 建築設備の歴史
4 建築設備計画
Chapter 2 給排水・衛生設備
1 給排水・衛生設備の定義
2 給水設備
3 給湯設備
4 排水・通気設備
5 ガス設備
6 衛生器具設備
Chapter 3 空気調和設備
1 空気調和設備の概要
2 空調負荷
3 空調方式
4 空調熱源方式
5 熱搬送設備
6 自動制御・中央監視設備
7 換気設備
Chapter 4 電気設備
1 電力設備
2 電源引込
3 幹線・動力設備
4 照明設備
5 通信情報設備
6 エレベーター・エスカレーター設備
Chapter 5 防災設備
1 防災設備
2 非常用発電設備
3 消火設備
4 避雷設備
Chapter 6 省エネルギー
1 省エネルギー概要
2 設計上考慮する省エネルギー
3 省エネルギー・環境保全に配慮した手法
4 ビルの省エネルギー手法
5 省エネ項目
6 省エネルギー効果試算
Chapter 7 建築設備設計図
1 建築設備設計の手順
2 建築設備設計図
・例題集
・索引
わたくしたちは長年にわたり、建築系大学、工業系専門学校で環境工学・建築設備の授業を担当してきました。「建築設備」は、建築学の分野からは、建築を志す方に、少々毛色が違う目で見られているようです。確かに関連する機械工学・電気工学は、それぞれの技術分野で建築学とは異色に見えるということは、あえて否定しません。しかし皆さんも、生活環境の向上、ライフスタイルの変動、 居住環境の変化、地球環境の変動から、建築設備の重要性が日ごとに増しているのを、ひしひしと感じておられるはずです。
わたくしたちは毎年、新学期の始まる前には、何か良いテキスト・参考書がないものかと探し回るのが通例でした。機械工学や電気工学の専門分野に偏りすぎ、建築を志す方々には難解な文献が多く、卒業後、建築士や建築設備士等の資格試験で苦労しそうなものばかりで、「これ!」といったものがありませんでした。 そこで適切な授業を進めるため、昔はスライド・OHP、今はパワーポイントで、人間の感覚の83%を占めるといわれる「目」からの情報で、独自の講義録をつくって学生さんに配布してきました。
本書はこの、「目からの情報」を重視し、図版や写真を多用し、分かりやすく編集しております。学術的な内容をベースにしているのはもちろん、実務的なことを加えた点が、他の設備の本との大きな違いです。現在、建築各分野で活躍の方々をはじめ、建築系の学生さんへのテキストとなり、建築士などの国家資格を取得するための導入書にもなるように企画しました。
建築士試験では特に、「環境・設備が合否判定の鍵」を握っています。わたくしたちが受け持った大学・専門学校の卒業生の大半は、間違いなく資格を取得し建設業界の各分野で活躍されています。本書はその方々を培った講義録でもあります。
内容は極力肩が凝らない形、即ち、学生さんたちが居眠りしないような形にまとめました。気楽にそして楽しく、目を通していただければ幸いです。
2017 年10 月
伏見 建・朴 賛弼
本書は長年、日韓両国で建築設備の教員・実務を経験したわたくしたちが、学芸出版社の「図説やさしい」シリーズの建築設備の入門書として企画し、出版するものです。
先に韓国・技文堂で出版された、『絵で見る建築設備』から、文章をコンパクトにまとめ、図版・写真をさらに増やして、より理解を促すように工夫しました。本書に紹介される図版は著者らが、授業用に作成したものであり、また多くの設備機器類の写真は法政大学小金井キャンパスをはじめ、各建物の現場や施設を、自らの足で集めたものが、そのほとんどです。
今回の出版に際して、日韓技術交流に尽力された、技文堂出版社の姜海作社長のご配慮に敬意を表し、ここに、両国の建築設備を志す方々が、この本を通じて日韓友好と発展に寄与されることを祈念します。
最後に、この本が作られるまでに、各種資料など、ご提供いただいた方々、原稿から出版にいたるまで、適切な助言を賜った学芸出版社の中木保代様をはじめ、スタッフの皆様に厚くお礼申し上げます。
2017 年10 月、法政大学にて
朴 賛弼・伏見 建
本書は電子版も発行しております。大学・専門学校等の教科書、もしくは研修等のテキストとしてのご採用をご検討の場合は、こちらをご覧ください。