改訂版 初めての建築法規
内容紹介
建築基準法をはじめ、難解な建築関係法規が容易に理解できるよう、各条文の考え方や規定の内容について数多くの図版を用いて、やさしく解説した。終章では実例を示し、法令の諸規定の確認ができる演習問題を盛り込んだ。改訂版では近年の法規改正を改めてチェックし、防火・耐火、確認申請、耐震改修促進などの項目を見なおした。
体 裁 B5・192頁・定価 本体2800円+税
ISBN 978-4-7615-2611-5
発行日 2015/11/10
装 丁 KOTO DESIGN Inc. 山本剛史
まえがき
1章 建築法規の概要
1・1 建築法規の歴史
1 建築法規の誕生
2 わが国の建築法規の歴史
1・2 建築法規の役割
1 建築物の安全と衛生
2 健全な都市づくり
1・3 建築法規の体系
1 建築基準法の位置と構成
2 法令の用語
2章 用語の定義
2・1 建築物に関する用語
1 建築物などの定義
2 工作物の定義
2・2 防火に関する用語
1 防火部分の定義
2 耐火構造などの定義
3 防火材料
4 耐火建築物と準耐火建築物
5 防火設備と遮炎性能
2・3 建築手続に関する用語
1 建築、大規模の修繕、大規模の模様替
2 行政機関
2・4 面積と高さ
1 面積の算定
2 高さの算定
3 地盤面、地階、階数
3章 建築物の健全性(単体規定)
3・1 一般構造
1 敷地の衛生と安全
2 採光
3 換気
4 地階に設ける居室
5 天井の高さと床の高さ
6 界壁の遮音構造
7 階段と傾斜路
3・2 構造強度
1 建築物の構造耐力
2 木造
3 組積造
4 補強コンクリートブロック造
5 鉄骨造
6 鉄筋コンクリート造
7 保有水平耐力計算
8 限界耐力計算
9 許容応力度等計算
10 荷重と外力
11 許容応力度と材料強度
3・3 防火と内装制限
1 大規模建築物の主要構造部
2 法22条区域内の建築物の防火
3 大規模木造建築物等の防火措置
4 耐火建築物などとしなければならない特殊建築物
5 防火区画
6 内装制限
3・4 避難
1 避難規定の適用の範囲
2 避難経路
3 避難階段
4 屋外への出口、屋上広場
5 避難と防災のための設備
6 敷地内通路
7 避難上の安全の検証
3・5 建築設備
1 給排水設備
2 空気調和設備
3 エレベーター,エスカレーター
4 避雷設備
4章 都市と街区の健全性(集団規定)
4・1 道路と敷地
1 道路の定義
2 接道義務
3 道路内の建築制限
4 私道の変更・廃止
5 壁面線
4・2 用途地域
1 用途地域の指定
2 用途の制限
4・3 容積率と建ぺい率
1 容積率
2 建ぺい率
4・4 高さ制限
1 絶対高さの制限
2 道路斜線制限
3 隣地斜線制限
4 北側斜線制限
5 日影規制
4・5 防火地域
1 防火地域内の建築制限
2 準防火地域内の建築制限
3 防火地域・準防火地域内の共通の制限
4・6 地区と街区の計画
1 総合設計制度
2 総合的設計による一団地の建築物
3 連担建築物設計制度
4 地区計画等
5 建築協定
5章 確認申請と手続規定
5・1 確認と許可
1 確認申請
2 建築許可,認定と認可
3 型式適合認定
4 法の適用除外
5・2 工事の着工と完了
1 各種の届け
2 検査
3 工事現場の危害防止
5・3 違反建築物に対する措置
1 命令
2 保安上危険な建築物などに対する措置
3 罰則
6章 関連法令
6・1 都市計画法
1 都市計画の概要
2 開発行為
6・2 消防法
1 消防法の目的
2 防火対象物
3 防火対象物に設置する消防用設備
4 消防用設備の適用除外と遡及適用
6・3 バリアフリー法
1 バリアフリー法の概要
2 特定建築物・特別特定建築物と特定施設
3 特別特定施設の基準適合業務
4 特定建築物の努力業務
5 認定建築物
6・4 住宅品質確保法
1 品確法の概要
2 住宅の性能表示基準と性能評価
3 紛争処理体制の整備
4 瑕疵担保責任の特例
6・5 耐震改修促進法
1 耐震改修促進法の目的
2 基本方針と耐震改修促進計画
3 要安全確保計画記載建築物
4 特定既存耐震不適格建築物の所有者の努力
5 特定既存耐震不適格建築物の所有者への指導・助言・指示
6 計画の認定
6・6 建築士法
1 建築士法の概要
2 建築士の種類
3 建築士でなければできない設計・工事監理
4 建築士の業務の内容
5 建築士事務所
6・7 建設業法
1 建設業法の概要
2 建設業の許可
3 建設工事の請負契約
4 主任技術者と監理技術者
7章 実例の検討
7・1 木造2階建住宅
1 集団規定関連事項
2 単体規定関連事項
7・2 鉄筋コンクリート6階建事務所
1 集団規定関連事項
2 単体規定関連事項
索 引
西日本工高建築連盟では、工業高校建築科の生徒が自主的に学習を行い、建築に関する基礎知識の修得のための手引き書となるよう、1996年に「建築のテキスト」シリーズ第一弾として「建築環境」、「建築一般構造」、「建築構造設計」、「建築積算」、「建築製図」を発刊した。その後、残る分野についても早期に発刊をという要請が強くあり、ここに新たな編集委員会のもとに本シリーズ第二弾として「建築計画」、「建築構造力学」、「建築材料」、「建築施工」、「建築法規」、「建築設備」および「建築CAD」の7巻を刊行することとなった。
内容は、前シリーズと同様、工業高校建築科の生徒はもとより、専門学校、短期大学、大学の建築関係の学生および若い実務家に至るまでの幅広い読者層を考慮するものとなっている。
「建築計画」は、建築物を計画するための基本的な考え方や、住宅をはじめ集合住宅、事務所、幼稚園、図書館を取り上げ、各種建築物の計画手法をわかりやすく解説している。
「建築構造力学」は、建築物の安全性を考えるうえで重要な部材に生ずる力を解析する能力を養うため、各種の解法や断面性能について例題を多く取り入れて、わかりやすく解説している。
「建築材料」は、建築物に用いられる様々な建築材料を構造材料と仕上材料などに大別し、各種材料の特性や使用方法などについて図版を数多く用いて、詳しくていねいに解説している。
「建築施工」は、木造軸組在来工法および枠組壁構法による住宅、鉄筋コンクリート造の共同住宅ならびに鉄骨造の事務所の工事例をとおして、建築物がつくり出される過程や施工上のポイントについて、具体的にやさしく解説している。
「建築法規」は、建築基準法をはじめ、難解な建築関係法規が容易に理解できるよう各条文の考え方や規定の内容について数多くの図版を用いて、詳しく解説している。
「建築設備」は、快適で便利な建築空間をつくり出すうえで重要な要素の一つである空気調和設備、給排水衛生設備、電気設備などの計画に関する基本事項について、具体的にわかりやすく解説している。
「建築CAD」は、前シリーズの「建築製図」で取り上げた木造住宅と鉄筋コンクリート造事務所建築の設計図を例題として、CADの活用方法や入力方法などについて、わかりやすく解説している。
なお、本シリーズは、日頃建築教育にたずさわる本連盟の会員が知恵を出し合い、多くの図版を用いて初学者の皆さんが楽しく学べるように工夫し、編集したものである。皆さんが多少の努力をおしまず、根気よく学べば、建築に関する基礎的知識が、必ず修得できるものと確信している。
発刊にあたり、貴重な資料の提供と適切な助言を賜った関係各位に、深い感謝の意を表するとともに、出版を引き受け積極的な助言をいただいた㈱学芸出版社社長をはじめ、編集部の諸氏に厚くお礼申し上げます。
改訂版へのまえがき
本シリーズも発行から15年を超え、法規、規格等の変更や工法、材料の変化など種々の状況変化に対応する必要がでてきた。従来から増刷等に応じて小規模な改訂は加えてきたが、今回、改めて大きな見直しを行い、ここに改訂版を発行することとした。
建築のテキスト(増補版)編集委員会
本書(第5版第1刷)に以下の誤りがございました。読者の皆様にお詫び申し上げますとともに、以下に訂正いたします。(2020.12.22一部追加)