テキスト文化遺産防災学

立命館大学「テキスト文化遺産防災学」刊行委員会 著

内容紹介

文化遺産防災学とは、かけがえのない文化遺産を、自然災害や獣害、放火などの人為災害から防御し、後世に継承していくために何ができるのかを問う学問である。歴史的な検証や工学的アプローチ、防災計画・デザインから、市民を巻き込んだ減災まちづくりまで、多岐にわたる分野の専門家による最先端の情報がつまった入門書。

体 裁 A5・256頁・定価 本体2400円+税
ISBN 978-4-7615-2549-1
発行日 2013/03/31
装 丁 KOTO DESIGN Inc. 山本剛史

目次著者紹介

災害を歴史的にとらえる

01 「可燃性の海」に漂う文化遺産:未来へ受け継ぐプロジェクト「明日の京都」の試み(土岐憲三)
02 歴史災害の復原からみる減災の知恵:火災と水害をもとにした抽出と応用(吉越昭久)
03 平安京の洪水と旱魃:歴史文献と統計によるアプローチ(片平博文

減災に貢献する技術

04 歴史的町並みをつくる伝統的建築:意匠に表れる防災・減災の工夫(山崎正史)
05 文化遺産を守る土木技術:生活・文化を支えるインフラストラクチャー(伊津野和行・深川良一・里深好文)
06 伝統構法建築の耐震工学:基本的理解と京町家実大実験(鈴木祥之)
07 防災に活用される情報通信技術:文化遺産防災と情報(川合 誠)

防災・減災は市民が主役

08 災害体験を教訓に変える:ゲーミングによる「気づき」と「共有」の防災学習(鐘ヶ江秀彦・豊田祐輔)
09 観光都市の避難と移動:京都市東山区のアンケート調査をもとにして(塚口博司・小川圭一)
10 市民ワークショップで進める防災まちづくり:地域特性を活かした実効性のある計画づくり(大窪健之)

減災のための計画とデザイン

11 災害時交通マネジメントの効果:文化遺産防災と交通計画(塚口博司・小川圭一・安 隆浩)
12 文化遺産防災のプラットフォームを整備する:GISを活用した今後の可能性について(矢野桂司)
13 多様な課題を一度に解決するデザインの力:防災から始まる都市デザインの可能性(武田史朗・山田悟史)
14 重伝建地区の防災と復興:伝統的木造・近代建築をめぐる法律・制度(益田兼房)
15 未来への継承に必要なこと:獣害軽減・修復経済負担を考える(谷口仁士)

吉越昭久(立命館大学文学部教授)片平博文(立命館大学文学部教授)
山﨑正史(立命館大学理工学部教授)
伊津野和行(立命館大学理工学部教授)
深川良一(立命館大学理工学部教授)
里深好文(立命館大学理工学部教授)
鈴木祥之(立命館グローバル・イノベーション研究機構教授)
川合 誠(立命館大学情報理工学部教授)
鐘ヶ江秀彦(立命館大学政策科学部教授)
豊田祐輔(立命館グローバル・イノベーション研究機構リサーチ・アシスタント)
小川圭一(立命館大学理工学部准教授)
塚口博司(立命館大学理工学部教授)
大窪健之(立命館大学理工学部教授)
安 隆浩(立命館大学理工学部助手)
矢野桂司(立命館大学文学部教授)
武田史朗(立命館大学理工学部准教授)
山田悟史(立命館大学理工学部助教)
益田兼房(立命館大学歴史都市防災研究センター客員研究員)
谷口仁士(立命館大学教授)