住まいのミカタ


水上 裕・岩崎敏之・大橋寿美子・木村興造 他著

内容紹介

住居学の基礎知識を一般常識レベルから学ぶ

住まい・インテリアは、衣食についで、極めて身近なものであるにもかかわらず、基礎的な知識さえ身についていない現代人は少なくない。目に見える格好いいデザインだけではなく、見えないもの、見えにくいところも理解しなければならないのである。本書は、一般常識レベルから学ぶ、実体験的で役に立つ住居学の入門書である。

体 裁 A5・200.0頁・定価 本体2000円+税
ISBN 978-4-7615-2478-4
発行日 2009-11-30
装 丁 KOTO DESIGN Inc.


目次著者紹介はじめに

第1部 見えるものをよく観る──生活の視点から

1 わたしと家族の住生活

1・1 自分らしい住まいを見つけよう
1・2 現在のわたしの住生活
1・3 今までのわたしの住生活
1・4 住まいの役割を考える

2 現在の家族と住まい

2・1 家族の変化
2・2 いろいろなライフコース
2・3 ライフサイクルと住生活
2・4 生活スタイルと住生活

3 これからの家族と住まい

3・1 個人をつなぐ住まい
3・2 世帯をつなぐ住まい

第2部 見えないものを感じ取る──生活を取りまく住環境

4 空気と上手くつきあう

4・1 空気とはなんだろうか
4・2 空気と汚染
4・3 通風と換気
4・4 換気のしくみ
4・5 換気扇とは
4・6 換気量と換気回数
4・7 においについて

5 暑さや寒さをコントロール

5・1 熱を伝えやすいものと伝えにくいもの
5・2 熱を逃がさない工夫
5・3 結露
5・4 日常生活での結露対策
5・5 手放せない温度計

6 光や音で明るい生活を

6・1 直射日光のメリットとデメリット
6・2 窓とウィンドウトリートメント
6・3 照明と上手くつきあう
6・4 人と音とのつきあい

7 季節に応じた暮らし方

7・1 二十四節気と太陽の動き
7・2 住み心地のいい部屋
7・3 現状を知って、修正しながら未来をつくる
7・4 暮らし方で変わる快適性
第3部 見えにくいところを読み解く──住居学へのアプローチ

8 住まいのインテリア

8・1 インテリアとは
8・2 日本の伝統的なインテリアデザインと西洋からの影響
8・3 寸法と家具
8・4 造形・色の原理を把握する

9 住まいのしくみ

9・1 住まいのしくみについて考える
9・2 住まいの材料に着目する
9・3 材と材のつなぎ方のしくみ
9・4 建築材料と家のつくり

10 住まいの設備

10・1 住まいの設備とは
10・2 電気設備
10・3 ガス設備(都市ガスとLPガス)
10・4 給排水設備
10・5 給湯設備

11 安全に暮らすために

11・1 身のまわりの危険を察知しよう
11・2 家のまわりの環境についてチェックする
11・3 家そのものについてチェックする
11・4 家の中のことをチェックする

12 豊かに暮らすために

12・1 住まいの中の小さな大発見
12・2 リビング・キッチン
12・3 書斎
12・4 洗面所・脱衣所・風呂・トイレ
12・5 階段
12・6 2階
12・7 バルコニー
12・8 中庭
12・9 家の外まわり
12・10 構造について
12・11 未来生活に向けて
参考文献
著者略歴

著者略歴

水上 裕(みずがみ・ゆたか)
湘北短期大学 生活プロデュース学科 教授
京都工芸繊維大学 工芸科学研究科 博士前期課程修了
アサカ設計事務所、雨宮建築設計事務所、石井和紘建築研究所を経て現職
岩崎敏之(いわさき・としゆき)
湘北短期大学 生活プロデュース学科 准教授
京都工芸繊維大学 工芸科学研究科修了
日本建築専門学校を経て現職
大橋寿美子(おおはし・すみこ)
湘北短期大学 生活プロデュース学科 准教授
日本女子大学大学院 人間生活学研究科 博士課程後期修了、博士(学術)
大和ハウス工業株式会社を経て現職
木村興造(きむら・こうぞう)
ハイポテック代表取締役、湘北短期大学非常勤講師
関東学院大学 工学部 建築学科卒業
竹中工務店を経て現職

イラスト
佐藤美保子(さとう・みほこ)
Our cell design

人は柔軟に生活をしていく能力をもっています。多少の不自由さは乗り越えて日常生活を送りますので、住み方については誰も教えてくれなくても必要に応じて工夫を重ね、問題を解決していくものです。

しかしながら、住まいは一生の付き合いですので、早い段階で知っておいた方が良い基礎知識や、ちょっとした気づきによって、生活が豊かになることはたくさんあります。

そこで、暮らしに役立つ住まいの見方を三つの型で提示し、人生の早い段階で住まいを味方にすることを意図して本書をまとめました。

一つめは「見えるものをよく観る」がテーマです。自分の身の回りや住まいとの関わりを点検してみると、見えていなかった部分がいかにたくさんあるかに気づき、こうしたい、こうありたいという新しい暮らし方を発見するはずです。

次は、「見えないものを感じ取る」をテーマに、生活する上で知っておきたい、健康を支える快適な住まい方について解説しています。空気・熱・におい・光・音などの見えない住環境との上手な付き合い方が身につきます。

最後は、「見えにくいところを読み解く」をテーマに、インテリアや住まいのしくみ、そして安全などについてコンパクトに解説しました。日々の暮らしの中で、安全に対する知識や住居の基盤となる専門知識をもっていれば、住まいを見る目が変わり、生活の仕方は格段に磨かれていきます。

住まいの見方というのは、おかれた状況(引越しや家族の増減など)や年齢によっても変わっていきます。本書は、社会人になる前の大学生にとって、役立つ、ためになる、「住居論のテキスト」を目指したものですが、生活プロや建築プロの方にも初心にかえって点検いただければさいわいです。

本書をきっかけに、少しでも住まいへの関心が高まることを願っています。

平成21年9月

著者を代表して 水上 裕