PTA、こうやって変えました!
内容紹介
参加したくなるPTAをつくる改革ノウハウ
学校からの個人情報漏洩、保護者・教員の全員自動加入と役職・活動強制、違法寄付等、課題山積の旧態PTA。不適切な状態を脱し、参加したくなるPTAをつくるにはどうすれば良いのか。任意加入の徹底、目的の明確化とスリム化、IT活用と透明化など、一足先に改革を実現した現場のリーダー達に学ぶ、新しいしくみのつくりかた。
はじめに 全国PTA連絡協議会代表理事 長谷川浩章
1 部 PTA 改革の必要性と進め方
1.PTA をめぐるさまざまな問題点
2.任意加入の徹底
3.未加入者への対応
4.学校との関係の適正化
5.活動目的の明確化と活動の見直し
6.個人情報保護体制の整備
7.上部団体や地域団体との関係の見直し
8.目指すのは「参加したくなるPTA」
2部 わたしたち、こうやって変えました!
大人も参加したくなる活動に
1.できる人が、できるときに、できることを 保護者と先生による楽しむ学校応援団 大田区立嶺町小学校PTO
2.「子どものため」だけでなく、保護者も子どもも楽しめる活動を 西宮市立上ヶ原小学校PTA
活動目的を明確に
3.PTA の目的は学習環境と通学環境の改善 ぶれない改革を実現 高槻市立赤大路小学校PTA
4.学校の課題解決を保護者がサポートするためのPTAに さいたま市立栄和小学校PTA
保護者会・後援会という選択肢
5.保護者の「やりたい!」を全力で応援 大津市立志賀小学校はなぞの会
6.PTAから後援会による学校支援中心の活動へ 流山市立おおたかの森中学校後援会
上部組織からフラットな支援機関に
7.1970 年代から任意加入徹底を推進 奈良市PTA 連合会
8.会員ゼロで会費なし!IT・運営支援に特化しフラットな交流の場へ 東京都PTA 協議会
おわりに 全国PTA連絡協議会理事 岡部健作
一般社団法人全国PTA連絡協議会 代表理事 長谷川 浩章
PTAが、活動に賛同して入会する任意加入の組織であることは広く認識されるようになりました。また、未加入者への対応や個人情報の適切な管理など、時代に合った運営も求められています。しかし、毎年同じ活動を繰り返しているPTAも少なくなく、保護者のPTA離れの一因にもなっています。
全国PTA連絡協議会は、PTAのマイナスイメージを払拭し、負担感なく保護者が楽しめるPTA活動となることを願い、PTA活動におけるコンプライアンスの側面も含め、様々な情報発信やサービスの提供などを通してPTAのアップデートを支援しています。
ICT技術やオンライン会議の利用で、容易に情報共有ができるスマートな活動を実現できます。長く続いたルールがPTAを負担感のあるものにしているのならば、見直すことも必要です。
学校や地域と連携して活動するPTAの活性化は、子どもたちが育つ地域コミュニティも豊かなものにしていきます。未来を担う子どもたちのために、大人ができることを考え、取り組んでいきましょう。
本書には、前例踏襲や強制を排除し、無理をせずに楽しく活動していこうというPTAの事例を掲載しました。それぞれのPTAが必要な活動を真剣に考え、議論し、試行錯誤する様々な過程が、これから改革をしていこうという皆さまに、少しでも参考になれば幸いです。
一般社団法人全国PTA連絡協議会 理事 岡部 健作
本書に掲載した事例は、ほんの一部の事例です。改革のきっかけとなる課題に気付いた時に、見過ごさず動くことができた事例とも言えるでしょう。
PTAのあり方を変えることは、エネルギーを必要とする作業です。チームで取り組まなければ成し遂げることは簡単ではありません。スタートは一人のリーダーだったとしても、その思いに共感し、同じ目標に向かって、議論し、一緒に前に進んでいく仲間が必要です。そんな仲間の存在も、PTA活動を通して得られる大事なものだと思います。
インタビューをさせていただいた全員が、「この改革の趣旨が永遠に引き継がれるとは思っていない。今後は、その時々のメンバーが考えて変えていけばよいと思う」と話していました。
時代の流れと同じように、PTA活動が変わっていくことも当然のことです。それぞれのPTAも、さらに変化していくのかもしれません。
前例踏襲や強制のあるPTA活動の中で辛い思いを抱えている保護者もいます。様々な事情にも配慮し、皆様の地域や学校に合ったPTAのあり方を是非、考えていただければと思います。
本書が少しでも役に立ち、多くの保護者が楽しみながら参加できるPTA活動が広がっていくことを願っています。
開催が決まり次第、お知らせします。