感性のモダニズム
ヨーロッパ近代の建築造形をめぐる


目次

永遠のモダニズム ──はじめに

第1章 しなやかな技術革新 ──ラブルーストとアール・ヌーヴォー

鉄の開く空間
サント・ジュヌヴィエーヴ図書館/旧国立図書館 ──本というインテリア
ガレリア・ヴィットーリオ・エマヌエレU ──人が集う街路
オルタ邸 ──オープン化の萌芽
アムステルダム取引所 ──壁の功罪
ノートルダム・ド・トラヴァイユ教会堂 ──技術と建築の蜜月
シャンゼリゼ通りの研究所 ──世紀末のかぐわしい香り
オテル・メザラ ──美しき天井の仕掛け

第2章 典雅な直線 ──マッキントッシュとワーグナー

直線の美学
ヴィラ・ワーグナーT ──ステンドグラスの機能
カールスプラッツ駅舎 ──絢爛たる地下鉄駅舎
ヒル・ハウス ──ジャポニスムの照明
スコットランド・ストリート小学校 ──マッキントッシュのもうひとつの姿
帝国郵便貯金局 ──典雅なメカニカルデザイン
クニーシェ洋装店 ──鏡のイリュージョン
ヴィラ・ワーグナーU ──アール・デコの予感

第3章 きらめく躍動感 ──ガウディとカタルーニャ・ルネサンス

新しい、都市
カサ・ビセンス ──変化もしくは可動
カサ・ナーバス ──大理石コンプレックス
カサ・バトリョ ──ドラゴンという暗喩
カタルーニャ音楽堂 ──電気照明の内在化
カサ・ミラ ──光を求めて

第4章 白い明晰 ──ル・コルビュジエとインターナショナル・スタイル

モダニズムの不思議
ル・ランシイのノートル・ダム聖堂 ──最初の現場打放しコンクリート
ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸 ──ヴォイドの発見
バウハウス校舎 ──ドミノ住宅の具現化
ファン・ネレ工場 ──連続性とダイナミズム
スイス学生会館 ──隠されたロンシャン
デイリー・エクスプレス新聞社屋 ──都市を映す鏡
カサ・デル・ファッショ ──ガラスの密閉容器

第5章 色彩願望 ──リートフェルトと表現主義

二つの、3原色
レッド・ハウス ──赤の由来
海運ビル ──20世紀的、具象
パーク・ミアウィークの芸術家村 ──表現主義の分譲住宅
ヘキスト染料工場事務棟 ──クリスタルなレンガ
シュレーダー邸 ──素材感との訣別
ウォルプスベーデ・カフェ ──しまわれた、まっ赤な洞穴
バルセロナ・パビリオン ──変化する風景としての壁

第6章 やわらかな光 ──アスプルンドと北欧モダニズム

北緯60度の街
ストックホルム市庁舎 ──呆れるばかりの職人技
グルントヴィ教会堂 ──5600万個のレンガ
森の礼拝堂 ──つくり出された静寂
ストックホルム市立図書館 ──人間の頭脳
パイミオのサナトリウム ──あたたかな機能主義
イェーテボリ裁判所増築棟 ──女神ジャスティスの化身

あとがき