もう一つの「人口問題」
日本の土地は日本人がつくった
国づくりは人民がやった
「昼は人つくり夜は神つくる」
柔構造の国づくり
地文学―土地の神さまを調べる
「蹴裂伝説」をフレームに
1章 国ぼめから歌枕へ
―飛鳥はいかにつくられたか 片岡智子 |
歌枕による地文学とは
地名としての飛鳥
なぜ飛ぶ鳥か
歌枕としての明日香
2章 秋津洲の山と川と神々
―奈良盆地はいかにつくられたか 樋口忠彦 |
美き地
青垣山と山門
「玉垣の内つ国」を潤す川
秋津洲
水分神社、山口神社、御県神社、広瀬神社
奈良盆地の宮都と水運
3章 盆地と水脈がつくった庭園都市
―京都盆地はいかにつくられたか 進士五十八 |
四神相応の平安京
エデンの園と極楽浄土
名園の条件は「眺め」と「水」
江戸と京の庭園の立地
山水河原者、自然に学ぶ
4章 小盆地宇宙の昔と今
―津山盆地はいかにつくられたか 米山俊直 |
小盆地宇宙―日本文化の単位について
小盆地宇宙の具体像
津山盆地
小盆地宇宙の現在
5章 海と川とクリーク
―筑紫平野はいかにつくられたか 中岡義介 |
かつては海だった
あまりにも低い筑紫平野
有明海の泥水が毎日入り込む
地下の環境に昔がある
徐福伝説を辿る
呪術で川を治める
神石が土地をつくる
クリークが古筑紫海を今に伝える
誰でも参加できる中空の神社
6章 姥が岳の大蛇伝説と豊後緒方氏の地域開発
―豊後・緒方はいかにつくられたか 飯沼賢司 |
姥が岳の大蛇伝説と緒方惟栄
「川越し祭り」と大蛇伝説
下井路の構造から読む水田開発
7章 山を結ぶ駅路
―東山道はいかにつくられたか 武部健一 |
駅路という古代の交通システム
駅路を基準に敷かれた条里
古代の人々にとっての駅路
時代によって変わるルートと道幅
長い眠りから覚める駅路
8章 人と自然との闘いと共生
―甲府盆地はいかにつくられたか 小川紀一朗・今村遼平 |
甲府盆地の成り立ちと構造
富士川における災害と治水の歴史
地名と災害との関連
災害との共生から克服へ
9章 古河公方の天と地、あるいは乱の地文学
―関東平野はいかにつくられたか(中世編) 中村良夫 |
鎌倉関東府、瓦解す
混沌とした大地
大地を拓く
都市への胎動
高貴なるもの─信と礼
10章 大河川に挑む
―関東平野はいかにつくられたか(近世編) 松浦茂樹 |
日本列島における江戸の位置
近世の埼玉平野の開発と利根川・荒川
徳川幕府と国土経営
11章 仏さまが輪中をつくり、神さまが人々を守った
―濃尾平野はいかにつくられたか 田中充子 |
「濃尾の入海」
洪積台地と海
島と条里制
扇状地と荘園
自然堤防帯と惣
後背湿地・三角州帯と輪中
仏さまが輪中をつくり、神さまが人々を守った
[鼎談] 地文学の未来 上田篤×中村良夫×樋口忠彦 |