日本一のローカル線をつくる
たま駅長に学ぶ公共交通再生

目次


まえがき

第1章 なぜ地域公共交通は衰退したのか

赤字が当たり前のビジネスモデル
地域公共交通事業が衰退した理由
交通権は全国民の権利
補助金から「公設民営」へ

第2章 公共交通を再生させるという決意

岡山の公共交通離れ
バスが直面していた問題
路面電車が直面していた問題
お客様目線の「わかりやすさ」「乗りやすさ」の追求
公共交通の復権をかけた取り組み

第3章 歩いて楽しいまちづくり運動

まちづくりは人々の意識改革から
路面電車「MOMO(モモ)」の導入
都心居住を進める「グレースタワー」の建設
レトロでモダンな「SAI BUS(サイバス)」登場
世界初!二一世紀型バス「SOLARVE(ソラビ)」発進
生まれない、公共交通存続の危機感

第4章 目からウロコの韓国バス事情

イ・ミョンバク氏の交通改革
韓国の視察で学んだこと

第5章 規制緩和は公共交通を衰亡させる

岡山市バス業界の顧客争奪戦
お客様第一に、競合から共同へ
行政と事業者の深まる溝
規制緩和の結末

第6章 「公設民営」の実証─津エアポートライン

地元が匙を投げた旅客船事業
多重投資による破綻
経営再建の秘訣は徹底した現場志向
公共交通事業の成否を分けるもの

第7章 たま駅長とユニークなアイデアで鉄道再生─和歌山電鐵

不可能と思われた再生を引き受けた理由
覆面視察で見抜いた再生の可能性
忘れ去られていた地域の魅力
本物の市民運動の存在
「知って、乗って、住んでもらう」戦略
再建の看板となった三毛猫たま駅長の活躍
たま駅長の超出世物語
水戸岡鋭治さんがデザインする、乗ってみたい電車
鉄道再生後の嬉しい出来事

第8章 補助金の誘惑が経営不在・顧客不在を招く─中国バス

誰にも助けられないバス会社に救いの手を
現場に問題の答えがある
現場管理の要諦
補助金行政の副作用@:経営のモラルハザード
補助金行政の副作用A:顧客不在の劣悪なサービス
補助金は顧客サービスに還元を

第9章 地域公共交通の存続をかけた政策改革

規制緩和でなぜ多くの公共交通が倒れたのか
高速バスとツアーバスのアンフェアな競争
規則緩和の功罪を検証
地域公共交通の見直し機運
公共交通政策の抜本的改革が必要
公設民営のビジネスモデル
国政を動かすための運動

第10章 なぜリスクばかりで得のない再生を決意したか

創業者の経営理念「忠恕」
「経世済民」を学び経営の道へ
信託経営による人材育成
岡山藩郡代・津田永忠との出会い
企業の使命を問い直す

第11章 地域公共交通の変革─エコ公共交通大国構想

世界一のエコ公共交通大国を目指す提言
エコ公共交通大国の実証実験を岡山で
公設民営のスキーム
地域経営の時代

第12章 日本の公共交通経営の未来


あとがき