参加と共生の住まいづくり


書  評



『地域開発』((財)日本地域開発センター) 2003. 10
 今、住まいづくりは大きく転換しようとしている。
 住宅の確保が国民的課題となった高度成長時代から、バブル崩壊を経て90年代に入り、それまでの大量供給の結果、戸数は世帯数を上回ったが水準には格差が生じ、住宅と居住者のミスマッチも大きいという現実が明らかになった。ユーザーの住宅観も、資産形成的な見方から利用本位へと変わり始め、住宅は「与えられるもの」から「求めるもの」に大きく変化している。
 本書は、このような転換期にあって「生産供給過程への直接参加」に的を絞り、コーポラティブ住宅、都市の町並みデザインなど6つのテーマを取り上げ、「参加」と「共生」をキーワードとする新しい住まいづくりについて、先駆的な取り組みの検討を中心にその方向性と可能性を論考している。そして、生産者と住まい手が結びつく為には専門家の支援が重要であるとの主旨から、住まいづくりに関わる専門家やそれを志す学生たちを、まず念頭において書かれたものとなっている。

『新建築住宅特集』(叶V建築社) 2002. 5
 少子高齢化・環境問題・ライフスタイルの変化により、住まいづくりは転換点に直面している。本書は、「参加」と「共生」をキーワードとする住まいづくりについて、先駆的な取り組みの検討を中心に、その方向性と可能性を論考するもの。全体は7部構成で、日本建築士会連合会参加と共生の住まいづくり部会のメンバーがここ数年の間に全国各地において開いた塾やフォーラムで討議した内容が基になっている。コーポラティブ住宅、コレクティブ住宅、「農」と「住」の調和したまちづくり、都市の街並みデザイン、山村と都市を結ぶ木造住宅づくり、住まい・まちづくりセンターの活動を取り上げ、「協働」することのリアリティを探っている。









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