都市計画の挑戦
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参考2 ジェイコブス研究会メモ

98・10・28

 

テーマ1 どんな街に住みたいのか

 議論の前提:個人と世界の間には家族や地域社会という人間の身体の尺度にあった空間の領域がある。 その領域の中で、 人間は健全に発育、 成長し、 そして成熟する。 個人の外は均質な世界であり、 バーチャルな空間であるというのは幻想。 成熟社会の中で個人回帰は必然。 従って、 自己実現、 自己表現が生活の基礎。 その場が要る。

 Community(共同体)、 Association(機能集団)の次に、 Conviviality(共生集団)があるという予感。 だから、 居住を含む身近な都市空間の質は大事。 それこそ文化。

 Conviviality社会の都市空間は、 近代的な、 明るく、 開けて、 乾いた、 境界の無い都市では無い。 では、 どんな空間なのか。

 「街」空間という仮置き。

テーマ2 街は造れるのか

 時間の経過の中で、 政治的、 社会的、 経済的な仕組みの中で生成される都市空間をどうしたら秩序あるものに出来るのか。

 日本の都市計画、 街づくりの致命的な欠陥:工学馬鹿:経済的認識の不在(工学の枠組は単純な第一システム。 しかし今や世界は複雑系の中にあり、 第二システム、 生物的なシステムを超えて第三システムの認識論へと代わりつつある)。

 法学馬鹿:明治以来の官治主義の伝統からの離脱が出来ていない(人権と民主的な権力構造が当然になっている世界の中で相変わらず官無謬主義法哲学がまかり通っている)。

 市場主義、 市民主体主義に如何に対応できるか。 その上で如何に有効な公的な介入が可能なのか。

 これらを飲み込んだ上で、 更に、 強い公的(官的では無い)介入の仕組みとその中での民主主義的なリーダーシップの確立がいかに可能か。 そうでなければ日本は21世紀に残る都市資産を形成できない。 その中での専門家、 官僚の位置づけはどうなるのか。 制度的には、 価値基準の流動化に伴って正当性の根拠を民主的な手続きに求める仕組みに如何に変換できるか(アラン・ジェイコブスの実践的な計画哲学の意味)。

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