着地型観光の具体化に関心のある者が集まり、3年かけて検討した成果がこの出版物である。事業関係者を訪問したり、アンケートをしたり、多くの方々の貴重な助言と知恵を集めた。最も重視したのは、観光地において定着し、実際に活用してもらえるビジネスモデルづくりだった。
検討する過程でいろいろと具体化すべき課題が多く出た。旅行商品化と発信・流通など事業化の全過程をつなげて成果にしていく努力と粘りが大切なことである。さらに事業のマネジメントも大切になる。
出版に際し、まず、研究の場を提供していただいた日本観光研究学会に感謝申しあげる。また、アンケートやヒアリングに心よく応じていただいた観光事業関係者の皆様にあらためて、深く感謝いたします。そして、出版の初期から丁寧なご指導と助言をいただいた学芸出版社の前田裕資氏と編集部の宮本裕美さんには、われわれの思いを形にしていただき、心よりお礼申しあげます。
今後、観光を活用した着地地域のまちづくりが着実に実践されていき、地域の活性化や地域再生に結びついていくために、さらに検討を進めたいと念願している。この本が着地型観光の発展のきっかけのひとつとなり、地域づくりのお役にたてば望外の喜びである。
金井萬造 |