一級建築士設計製図試験
エマージェンシーマニュアル

合格者・不合格者再現ドキュメント

はじめに

 一級建築士をめざす皆さんにとって、昨今の受験環境は非常に厳しいものとなっています。下降傾向にあった合格率は、「絶対評価」となった平成13年度以降、実質の合格者数自体が絞られてしまい、国家試験の中でも超難関試験に位置付けられるようにさえなってしまいました。
 私どもが運営している学科製図.comでは、このような状況下において、単に専門学校に行っているだけや書籍を買い込んで独学・自習するような学習方法では到底通用しない能力が求められているという視点から、インターネットを使った新しい受験スタイルを模索してきました。
 本書は、そういった新しいステージに入ったと考えられる一級建築士設計製図試験について、もう一度どのような試験でどのような能力が必要なのかを、実際の受験生の試験当日ドキュメントをレビューすることで分析し、具体的に試験そのものをよりリアルにイメージしていただくことを目的としております。さらにその上でどのような学習スタイルを築き上げていくべきなのかを考察し、私どもの現時点での方法論をまとめたものです。
 受験されるほとんどの方が、何らかのかたちで建築業務に携わりながら受験勉強を行われていると思いますが、生涯学習という観点から考えると、仕事をしつつ勉強するというスタイルは、今後はよりスタンダードになるでしょう。元々「建築」に携わること自体が生涯学習そのものです。私どもは、この一級建築士設計製図試験において、試験勉強のための勉強にならないような学習スタイルで取り組むことにより生涯学習のフォームをこの受験期間に身につけていただくことが、無形で最大の財産になりうると考えております。
 そういった意味で、本書が建築への入門書として、さらに一級建築士設計製図試験合格のためのエマージェンシーマニュアルとして活用されることを切に願っております。
学科製図.com
主宰 曽根 徹