一級建築士設計製図試験
エマージェンシーマニュアル



あとがき

あとがきにかえて



 建築の仕事は、経験値の上がらない職業です。内科のお医者さんが1日20人で200日働けば年4,000人、10年で4万人を診るのに対して、年6棟設計しても10年で60棟。3桁違います。
 それに対する方法論があまり語られないこと自体に私自身は大きな疑問があり、受験生の建築士設計製図試験体験談を通して擬似的に経験値を上げるヒントにならないかと考えたことが本書の着想点でした。受験生の皆さんのお役に立ち、より大きな目標へのステップのための1冊として読んでいただければこれ以上うれしいことはありません。
 また本書は全国の学科製図.com受講生や受験生の方々の正確な再現図やレポートを公開していただけなければ成立し得ませんでした。まず協力者の方々にお礼申し上げます。また学芸出版社の村田讓さん、知念靖広さんが拙著『エスキースアプローチ』に続いて体験談だけで1冊の本にするという試みを真正面から企画として取り上げていただかなければ、到底世に出ることはなかったでしょう。最後に2002年年末、2003年年始と執筆のためとはいえ、正月なしで全面協力してくれたスタッフ・家族の支えなくしては完成しませんでした。この場をお借りして、すべての関係者の皆様に重ねてお礼申し上げる次第です。
 2003年2月
学科製図.com 

主宰 曽根 徹