RePUBLIC 公共空間のリノベーション


目次


この本の使い方

公共の意味を問い直すために

1 公園をリノベーション

公園の使い方を考え直すことは、公共について問い直すことにつながっている。
公園に近いと、税金が高い仕組みとは? ──セントラルパーク(ニューヨーク)
セントラルパークにおける受益者負担の構造。
企業の投資で公園を再生する方法があった。 ──宮下公園(東京都渋谷区)
公園活用の突破口は三つ、社会実験、一時占用許可、指定管理者制度。
あなたが、公園で小さな店を開くためのヒント!
公園で上がった利益を、公園に還元する仕組みをつくろう。
公開空地を都市のリビングルームへ。 ──コレド日本橋(東京都)
公開空地が上手に公開されない理由。
しっかり稼ぐ公開空地もある。
夜は別の顔を持つ公園。
劇場と街をむすぶ広場のデザイン。 ──道頓堀角座(大阪市)
公園を地域住民の庭に。
公園は都市におけるオフィスでもある。 ──ブライアントパーク(ニューヨーク)
公園とオフィスは似ている。
商店街の空き地を、市民が集える原っぱへ。 ──わいわい!!コンテナ(佐賀市)
児童公園と保育所を合体させる。
オープンスペースでピクニックする権利を主張する。 ──東京ピクニッククラブ
既成概念を覆す、学校、図書館、シアターをつなぐ巨大トラック。 ──羅東鎮限運動場(台湾宜蘭市)

2 役所をリノベーション

空間を変えれば、組織も変わる。
これも役所です。テラスで市民と職員が井戸端会議。 ──名護市役所(沖縄県)
構造補強のタイミングが、リノベーションのチャンス。
空間の再編が、組織の再編を促す。
カウンターを丸テーブルに替えてみる。
まちづくりの部署は、街にあるべき。
小さなリアルを役所のなかに。
議事堂をガラス張りにすると、政治の透明度が増す?
透明な市役所と議事堂は、行政と政治を変えるだろうか。 ──長岡市役所/アオーレ長岡(新潟県)
1階を開放して、街とつなげてみる。
地下の食堂を眺めのいい最上階へ、市民に開放して、環境も味もバージョンアップ。

3 水辺をリノベーション

水辺の開放に必要なのは、社会のしがらみを解きほぐすというデザイン。
京都鴨川の川床は、どのような仕組みで復活したのか。
河川敷のサイクル/ランニングステーション。
運河に浮かぶ水上レストランは、建物なのか、船なのか。 ──WATERLINE(東京都品川)
水上レストランを可能にした、法律クリアの戦略。
水辺を、働く場所として捉え直してみた。 ──THE NATURAL SHOE STORE(東京都勝どき)
河川法が改正されて、水辺の可能性が広がった。
水辺から都市を活性化する、行政と企業がチームを組むと。 ──水都大阪
規制緩和された水辺を使おう!
このテラスは合法です。 ──北浜テラス(大阪市)
北浜テラスにおける成功の構造とプロセス。
私たちは水辺を自由に使えない、それはなぜ? ──BOAT PEOPLE Association
ボートピープルが水辺に挑んだ軌跡。
屋形船をリノベーション。

4 学校をリノベーション

阻害要因を排除すれば、学校は新しい機能を発揮しはじめる。
ニューヨークのアートと地域を変えた、小学校のリノベーション。 ──P.S.1(ニューヨーク)
少子化で生まれた余裕教室、どう使うか?
学校の余白を地域に開放、閉ざさず開くことで、子どもを守る。
学校をオフィスに。
隣の公園とつなぐことで、街に開かれた、かつての中学校。 ──アーツ千代田3331(東京都神田)
アーティストの、アーティストによる、アーティストと市民のための空間運営。


清水義次 (株式会社アフタヌーンソサエティ代表取締役)
アートやデザインを核とした施設を、自律的に経営できる組織と体制のつくりかた。


5 ターミナルをリノベーション

移動から交流へ、ターミナルはコミュニケーションの結節点へ。
ターミナルを制すものは、交流/コミュニケーションを制す。 ──チャンギ国際空港(シンガポール)
地方空港をショッピングセンターと合体してみる。
コンパクトな国土を楽しむ、移動の意識をリノベーション。
鉄道高架を公園に、草の根運動が都市計画に発展。 ──ハイライン(ニューヨーク)
地方のバスターミナルを交流の結節点へ。
ハイブリッド・バスターミナル。
路上をオープンカフェに、道路の使い方が街を変えた。 ──モア4番街(東京都新宿)

6 図書館をリノベーション

本との新しい出会いをもたらす、次世代の図書館。
伝統ある小学校をマンガと芝生広場で再生。 ──京都国際マンガミュージアム(京都市)
公園に開いたオープンエア図書館。
図書館の中に書店とカフェが出現。 ──武雄市図書館(佐賀県)
図書館をもっと面白くする、民間企業による運営の仕組み。
本が街と人をつなぐ媒体になる。 ──まちじゅう図書館(長野県小布施町)
家で眠っている本を集約する、持ち寄り図書館。

7 団地をリノベーション

新しい時代の団地と、豊かなオープンスペースの使い方。
団地は、古くて新しい公共空間。 ──観月橋団地(京都市)
団地に住んで、団地で働く。
団地の空き店舗をカフェにして、広場とつなげてみた。 ──いこいーの+TAPPINO(茨城県取手市井野団地)
団地を若者が集うホテルに。
団地の空き部屋をホテルに、住民がゲストをもてなす。 ──SUN SELF HOTEL(茨城県取手市井野団地)
団地の空地で移動販売キャラバン。
団地で開いた市場が、人をつなぐ拠点に。 ──ダンチ de マルシェ(横浜市若葉台団地)


森司 (公益財団法人東京都歴史文化財団地域文化交流推進担当課長)
「あなたとわたしとわたしたち」この感性が、新たな社会関係資本をつくる。


おわりに