幸福な田舎のつくりかた
地域の誇りが人をつなぎ、小さな経済を動かす

目次


人を呼び、経済をまわす田舎力

第1部 ないもの探しから、あるもの磨きへ

第1章 風土を誇りに、食の都、映画の都を目指す
──山形在来作物研究会、アル・ケッチァーノ、庄内映画村(山形県鶴岡市)

市民がつくり、上映する映画「よみがえりのレシピ」
料理家と学者が目指す「食の都」
伝統野菜の発掘を応援するメディア
高校生が挑む「食の甲子園」
農家レストランでいただく伝統野菜
風土を愛する人々が盛り上げる「映画の都」

第2章 若者が新風を吹き込む、レトロな商店街
──阿蘇一の宮門前町商店街(熊本県阿蘇市)

商店街の若手店主が立ち上がる
明治生まれの女学校を人気の店に
若者の出店を後押しする工務店
レトロさを巧みに活かす


第2部 ローカルを発信する、ユニークさが共感を呼ぶ

第3章 地域の味を育て届ける、トータルプロデュース
──道の駅 萩しーまーと(山口県萩市)

萩の魚を都会に売り込むメディア試食会
市民の台所を目指した道の駅
民間主体で運営、責任者は全国公募で
漁業者と連携したイベントが大好評
生産、販売、流通、料理までをプロデュース

第4章 売りたいのは、商品に込めた土地の物語
──四万十ドラマ(高知県四万十町)

雄大な風景に佇む道の駅
思わぬきっかけで全国に知られる存在に
ローカル・ローテク・ローインパクトなものづくり
企画から販売まですべてやるデザイナー
インターンシップ制度を若者の定住につなぐ
四万十ファンを生みだすトリガーに

第5章 まちのファンを増やす、観光特使の活躍
──高知県おもてなし課、小説『県庁おもてなし課』(高知県)

観光客の流れが変わった
欧州スタイルを取り入れる
小説『県庁おもてなし課』の衝撃
どこまでが小説? どこまでが現実?
県庁おもてなし課って何するところ?
人気を集める観光特使の名刺
廃校・空き店舗をミュージアムに、海洋堂の戦略


第3部 人と人をつなぐ、農村と都市をつなぐ

第6章 一軒の直売所から、地産地消がまわりだす
──JAおちいまばり さいさいきて屋(愛媛県今治市)

120万人を魅了する直売所
鮮魚のよさと対面販売が売り
自動販売機は置きません
小さな農家、女性、高齢者も参加できる市場を
参加者が売りたくなるしくみをつくる
ケーキを売るのではなく、果物を売る
直売所が農協と農家の意識を変えた
未来の今治ファンをつくる学校給食

第7章 消費地とつなぐ産直で、小さな農家が輝きだす
──JA雲南(島根県雲南市)

産直で輝きだした生産者たち
小さな青空市と直売所をつなぐネットワーク
農協は小さな農家を支えるのが本来の姿ではないか
都会の消費者に大好評の出張販売
売れ筋を知り、売れる農産物のつくり方を学ぶ
小さな農産物の価値を高め、地域の農業力を磨く

第8章 若手農家が連携し、地域で稼げる農業を
──野菜くらぶ(群馬県昭和村)

急増する農家の法人化
稼げる農業を目指す専業農家集団
絶望のどん底から見出した活路
変わり始めた農業出資の形
若い農業希望者の独立を支援するプログラム

第9章 都会の人と、地域を楽しむ農業を
──南信州観光公社(長野県飯田市)

グリーン・ツーリズムの時代
お金には代えられない感動を
地域を楽しむ農業を
農家を束ねる株式会社
地域の資源をまるごと体験プログラム
都会の子どもの田植えが支える田んぼ
ワーキングホリデーで地元のよさを再発見

あとがき