港町の近代

もくじ


 1 港町に投影された日本の近代
 2 近代都市化のプロセスを読む視点
 3 近代港町のルーツを追って

第1章 門司──荒地に築かれた近代港町

1・1 近代の基層の発見

1・2 近代港町を読み解く方法
 1 門司の出発点を探る
 2 近代空間を形成した街並みの特色
 3 花街がつくりだす空間の仕組み
 4 倉庫群が語る近代空間
 5 旧集落を原点に持つ近代のラビリンス

1・3 レトロブームからの脱却

第2章 小樽──特異な地形に成り立つ多極連鎖の複合空間

2・1 小樽を捉える眼差し

2・2 複雑な地形を基層にした小樽の原像
 1 小樽の特異な地形
 2 オタルナイ場所から近代港町へ、プレ近代の世界

2・3 幾つもの素顔を持つ小樽繁栄のプロセス
 1 信香町の成立(第1発展期)
 2 入船の充実(第2発展期)
 3 都市機能の分散(第3発展期)
 4 二極構造から一体化する小樽の繁栄(第4発展期)

2・4 小樽の昭和初期と現在、未来

第3章 横浜──開港場・横浜の近代都市形成の手法

3・1 横浜を知る切っ掛け

3・2 近世の文脈をベースにした近代の都市骨格
 1 弁天通りが気になる
 2 馬車道がなぜ誕生したのか

3・3 開港場・横浜の初期発展段階
 1 近代港町としての初期プラン
 2 近代港町建設の第2段階
 3 近代港町建設の第3段階

3・4 海から馬車道を辿る
 1 馬車道を軸とした関内の近代化
 2 海から万国橋に至る新港ふ頭の空間演出
 3 海岸通りの海運・港湾と本町通りの金融・業務の層
 4 弁天通りを中心とした商業の層

3・5 近代港町・横浜の拡大
 1 弁天社の移転と伊勢佐木町の発展
 2 野毛の発展と演じる舞台の変化

3・6 街が語りかける素顔と将来への展望

第4章 函館──坂と水際に潜む近代港町の歴史的固有性

4・1 函館をどのように捉えるのか
 1 現在という場から
 2 基層となる近世への誘い

4・2 水際に展開した三つの河岸空間を追う
 1 19世紀前半の水際空間―絵地図と絵巻に描かれた港町
 2 幸坂下の水際空間
 3 日和坂下の水際空間
 4 金森倉庫付近の水際空間

4・3 輪廻する函館の三つの都市像
 1 成長する港機能
 2 山之上神社と幸坂
 3 船魂神社と日和坂
 4 金森倉庫と銀座通り

4・4 これからの函館