私たちの「いい川・いい川づくり」最前線

目次

はじめに(山道省三)
「いい川・いい川づくり」とは何か

1 「いい川・いい川づくり」とは何か─「河川工学」から「河川学」へ(森 清和)
  1 流域が川をつくる
  2 河川観の共有化
  3 公開・交流型合意形成

2 価値発見と共感を呼ぶ合意形成
  ─「いい川・いい川づくり」公開選考の評価のしくみ(延藤安弘)

  1 二一世紀型川づくりの評価の枠組
  2 評価のキーワード
  3 価値発見と選考プロセスのしくみ
  4 今後の課題

3 川活動に関する市民と行政とのパートナーシップ
  ─「川の日」ワークショップからみた現状と課題(新川達郎)

  1 「いい川」「いい川づくり」とパートナーシップ
  2 パートナーシップ活動への注目
  3 市民参加とパートナーシップ活動のパターン
  4 「川の日」ワークショップに見るパートナーシップ
  5 パートナーシップによる川活動の課題と展望

地域からトータルに川を捉える

4 「いい川・いい川づくり」の別離と再会(桑子敏雄)
  1 縫ノ池の風景
  2 ワークショップということ
  3 「いい川」と「いい川づくり」
  4 霞堤から畳堤、思い出の写真集へ
  5 公開審査の意義と二次審査での復活
  6 事業評価と合意形成の視点
  7 ふたたび縫ノ池から

5 川と地域社会とのかかわりの再生─川と人の環境社会学から(嘉田由紀子)
  1 川の思い出を分けて下さい
  2 上水と下水:地域社会の自己管理から行政的管理へ
  3 遊びの水路は小溝に
  4 交通は舟から車へ
  5 洪水は地域社会の自主防災から行政管理へ
  6 水辺の変遷をもたらした水政策
  7 新たな時代にむけての河川整備の理念
  8 これからの川づくりでは「交感価値」を重視したい―「自分化」への展望

6 川と地域社会の進化(宮口廸)
  1 地域社会の変化112
  2 自然回帰と河川、流域114
  3 流域交流懇談会の議論から118
  4 社会そのものの進化・発展121

7 「いい川づくり」の技術と「しのぎ」の防災システム
  ─ 安全であってこそ“いい川”(片寄俊秀)

  1 治水・防水≠ニいい川
  2 「三面コンクリート張り」の由来
  3 独善的な技術がもたらしたもの
  4 技術転換にむけて
  5 災害との遭遇
  6 治水防災事業の矛盾と「災害論」
  7 「しのぎの防災」のすすめ

8 「いい川づくり」としての多自然型川づくり─ 自然への配慮とは何か(森 誠一)
  1 これからの多自然型川づくり
  2 自然への配慮とはどういうことか
  3 生態学的知見の把握
  4 「自然への配慮」としての魚道
  5 ネコギギと道路計画
  6 移入魚
  7 指針一つ

川を育むパートナーシップ

9 地域のみんなで共有し、使い楽しみつづける川づくり(相楽 治)
  1 昔、川はみんなが使えた川だった
  2 自然の厳しい地域には中間の技や知恵が残っている
  3 川辺を見守る「川畑」「川庭」の存在する意味
  4 「川畑」「川庭」には川辺を見守るやさしい目があるはずだ
  5 川辺を、コミュニティコモンズにする「川畑」「川庭」
  6 いい川には生き物の気配や地域の関わる場や仕組み、物語がある
  7 「水辺は地域の学校」としての再生、再創造

10 いい川、いい川づくりの次の一歩(島谷幸宏)
  1 技術力と合意形成へのエネルギー
  2 いい川・いい川づくりをめざして

資料 「川の日」ワークショップグランプリ事例
・「川の日」ワークショップについて
・球磨川(球磨川水系)熊本県
・城原川(筑後川水系)佐賀県神埼郡
・北川(五ヶ瀬川水系)宮崎県延岡市/北川町
・矢作川(矢作川水系)愛知県豊田市ほか
・天竜川(天竜川水系)長野県ほか
・縫ノ池(六角川水系)佐賀県白石町
・「川の日」ワークショップ第一〜六回 入賞一覧