体験!まちづくり学習


書 評
『地域開発』((財)日本地域開発センター)2005. 2
  未来のまちづくりを担うのは今の子どもたちであり、彼らが自分の暮らすまちのことを知り、愛着を持ち、まちづくりに関心を持つことは重要なことである。だが現在の学校教育において生活に関わる学習は食物や被服が中心であり、住居やまちづくりに関する学習機会が十分には提供されていない。本書は、地域・環境・バリアフリー等をテーマに教師と建築士の協働により実践された高校家庭科の授業の、過去7年間の経過を紹介している。フィールドワークやワークショップの実践的な手法や実施の留意点に加え、授業に参加した生徒、教員、建築士や地域住民からの率直な感想も紹介されている。当初はワークショップに消極的だった生徒が徐々にまちに関心を持ち始め、プロである建築士にとっても新たな視点でまちづくりを考えるきっかけを得られるなど、様々な成果が明らかになっている。教育現場でのまちづくり学習のみならずフィールドワークやワークショップの手引書としても活用されたい。