建築の保存デザイン

目次

序論

Chapter 1 近代の遺産をとりまくもの

1・1 保存理念の歴史
19世紀から20世紀へ
二つの「アテネ憲章」
イコモスと「ヴェニス憲章」
多様化するオーセンティシティ

1・2 日本の保存とヨーロッパの保存
単体から群そして都市へ
建築保存と教育
現代の保存に求められる建築家像
世界共通の課題に向けて

Chapter 2 保存の新たなるテーマ

2・1 経済社会とモダニズム
経済の器としての建築
保存と創造
モノの保存から理念の継承へ

2・2 地球環境時代の建築保存
建築と地球環境問題
使い続けるためのサスティナブル・デザイン
変化しながら使い続けられる建築

Chapter 3 保存のデザイン

3・1 理念から実践へ
オーセンティシティと安全性
美的価値と歴史的価値
対比と同化
プログラムとメンテナンス

3・2 デザインの手法
デザインとオーセンティシティ
Restoration:「修復」とは何か
Replacement:「置換」とは何か
Additions:「付加」とは何か
Modern Intervention:現代の諸相

Chapter 4 事例に学ぶデザイン手法

4・1 修復の手法
1 グエル・パビリオン──J.バセゴダ=ノネル
2 建築家の家──E.バン=ビエールフリート
3 トレンティウス邸──C.ヴァンデノーヴ
4 函館ヒストリープラザ──岡田新一
5 群馬音楽センター──レーモンド設計事務所
6 旧門司税関──大野秀敏+アプル総合計画事務所
7 日本聖公会川口基督教会──一粒社ヴォーリズ建築事務所
8 早稲田大学・會津八一記念博物館──古谷誠章
9 ベルギー楽器博物館──GUS建築事務所
トピック/ワルシャワとブダペスト──都市の修復と保存

4・2 置換の手法
1 聖ランベール礼拝堂──R.ルメール
2 迎賓館・立硝所──村野藤吾
3 ザールブリュッケン宮殿──G.ベーム
4 大龍堂書店──吉村篤一
5 トレンティウス邸──C.ヴァンデノーヴ
6 モネ劇場──A.2.RC+URBAT+C.ヴァンテノーヴ
7 近三ビル──村野、森建築事務所
8 ブラッケンハウス──M.ホプキンス
9 ライヒスターク──フォスター・アソシエイツ
トピック/フィンランディアホール──置換とオリジナリティ

4・3 付加の手法
1 三井物産横浜ビル──遠藤於菟
2 グラン・ベギナージュ──R.ルメール
3 東京大学・本郷キャンパス──香山壽夫
4 シカゴ商工会議所──マーフィー/ヤーン
5 フランクフルト工芸装飾美術館──R.マイヤー
6 武蔵大学・総合研究所──内田祥哉+集工舎建築都市デザイン研究所
7 サックラーギャラリー──フォスター・アソシエイツ
8 アサヒビール大山崎山荘美術館──安藤忠雄
9 大英博物館・グレートコート──フォスター・アソシエイツ
トピック/テート・モダン──産業遺産活用の金字塔

4・4 新たなる手法
1 シュルンベルジェ社──R.ピアノ
2 緑艸舎──宮本忠長
3 大阪成蹊大学芸術学部──吉村建築事務所
4 アムステルダム旧証券取引所──P.ザーネン
5 広島平和記念公園──丹下健三
6 熊本県立美術館・分館── V.ラペーニャ&E.トゥール+大和設計
7 リヨン・オペラ座──J.ヌーベル
8 フィアット社・旧リンゴット工場──R.ピアノ
9 新風館──R.ジャース+NTTファシリティーズ
トピック/ニームのカレ・ダール──建築家として継承すべきもの

あとがき