シックハウスがわかる

目次

真にシックハウスを理解しようとする人々へ

序章 シックハウスの背景と現状

1 シックハウス症候群とは
 1 シックビル症候群の発生
 2 シックハウス症候群の発生
 3 戸建て住宅と集合住宅の比較

2 室内空気汚染と健康影響度

3 シックハウス対策

 1 厚生労働省 室内化学物質濃度指針値
 2 国土交通省 住宅性能表示制度
 3 シックハウス対策のための改正建築基準法

1章 シックハウスの基礎知識

1 シックハウス症候群
2 シックビル症候群
3 化学物質過敏症
4 VOC(揮発性有機化合物)
5 TVOC(総揮発性有機化合物)
6 厚生労働省が定めるVOCの室内濃度指針値
7 PRTR(化学物質排出移動量届出制度)
8 MSDS(化学物質(等)安全データシート)
9 自主表示基準
10 ホルムアルデヒド
11 アセトアルデヒド
12 トルエン
13 キシレン
14 有機物
15 無機物
16 モノマー(単量体)
17 ポリマー(重合体)
18 溶剤
19 可塑剤
20 ppmとμg/m3
21 建材の化学物質放散量の測定─デシケータ法/チャンバー法
22 空気質の測定─簡易測定法/精密測定法

2章 健康被害の実態

1 化学物質過敏症を発症する

2 化学物質過敏症の相談窓口を開設して

3 化学物質過敏症を乗り越えて

 事例1 家と健康な体を失い、人生を狂わすシックハウス
 事例2 シックハウス症候群の恐ろしさ

3章 医学的見地からみるシックハウス症候群

1 医学におけるシックハウス症候群の位置づけ
2 シックハウス症候群が疑われる患者の症状について
3 主な原因物質とその症状
4 シックハウス症候群が疑われる患者の診察手法について
5 医療の今後の展望

4章 シックハウス問題における建築士の法的責任

1 建築士の法的責任とは
 1 民事責任の概要
 2 建築士の民事責任
 3 建築士の民事責任が問われた裁判例

2 シックハウス訴訟の概要
 1 横浜判決(横浜地裁平成10年2月25日判決)
 2 札幌判決(札幌地裁平成14年12月27日判決)
 3 東京判決(東京地裁平成15年5月20日判決)
 4 シックハウス訴訟の裁判例のまとめ

3 シックハウス問題と建築士の法的責任

 1 問われる建築士の法的責任
 2 建築主がシックハウス症候群・化学物質過敏症であった場合
 3 建築士が訴えられないためには

5章 設計監理の進め方

 1 シックハウス問題は建築士が解決する

1 建築士に求められるシックハウス対策
 1 建築主の依頼の有無
 2 社会通念上の問題として

2 見えないデザイン
 1 室内空気環境は「見えないデザイン」
 2 依頼者の期待とのギャップ

3 シックハウス対策は誰が行うのか
 1 現在の設計作業の分担状況
 2 意匠設計者が行うしかない
 3 建材の選定理由の見直し
 4 建材メーカーだけの問題か

4 実際の設計の目標は?

 1 健康な人がシックハウス症候群にならないために
 2 建築基準法は「最低の基準」である
 3 住宅と公共的な建築物の設計の違い
 4 どこまでリスクを下げるかは、建築主の判断による
 5 厚生労働省の指針値すべてをクリアできるか

5 材料主義VS換気主義

 1 シックハウス対策の考え方
 2 換気主義の考え方
 3 材料主義の考え方
 4 筆者の考え方

6 材料主義による設計事例

 1 シックハウスを予防する戸建て住宅の設計事例
 2 アレルギー疾患のある住まい手の戸建て住宅の設計事例
 3 シックハウス症候群に罹患した住まい手のマンションのリフォーム事例

7 説明と合意
 1 建築主の判断
 2 建築士がどこまで説明するのか
 3 明確な合意がないまま不具合が起きたら

8 工事監理
 1 工事監理とは
 2 建材の選定
 3 施工材料の選定
 4 建材・施工材料の使用を確認
 5 変更時の対応
 6 測定が必要か

9 入居後の注意点
 1 予め伝えておくことが必要
 2 換気などへの注意
 3 塗料やワックスなど
 4 問題が発生したら

10 既存シックハウスへの対策

 1 既存シックハウス対策の基本は四つ
 2 取り替える建材
 3 化学物質過敏症患者への対処など

6章 建材の選定方法

 1 建築基準法におけるシックハウス対策は不十分か
 2 建築基準法を守ることとシックハウス対策のレベル

1 対策レベルの設定

 1 筆者の経験
 2 材料主義
 3 対策レベルを決める要素
 4 最低限の対策レベルとしての建材選び
 5 住まい手の健康性、換気量
 6 部屋に近いところにたくさん使う材料から慎重に選ぶ
 7 TVOCを減らす

2 対策レベルを理解するための基礎知識

 1 建材を構成するもの
 2 構成材料の整理

3 筆者が提案する「最低限の建材選び」

 1 前提や注意点など
 2 実際の提案
 3 臭いによる確認

4 建築実務者として整備しておきたいこと
 1 3点セット
 2 「当社が考ええるシックハウス対策」の作成
 3 つくり手が自らのシックハウス対策を確立するために

7章 換気計画

1 換気の必要性と法規制
 1 欧米における換気基準の変遷
 2 わが国における室内空気汚染対策の変遷

2 高気密化と換気量

 1 必要換気量の設定
 2 気密度と換気量の関係

3 換気の基礎知識

 1 換気方式
 2 法規制に定められた換気量
 3 換気が冷暖房に与える影響

4 シックハウスを防ぐ換気方式

 1 戸建て住宅の換気設備
 2 集合住宅の換気設備
 3 学校の換気設備
 4 事務所ビルの換気設備
 5 病院の換気設備

5 換気設備の維持・管理


8章 施工管理

1 施工管理上の対応

2 設計図書の確認


3 使用材料の選定

 1 ホルムアルデヒド対策建材の選定
 2 トルエン、キシレン等の対策建材の選定
 3 選定時の留意事項
 4 使用材料一覧表の作成
 5 仕様変更の協議

4 施工中の管理項目

 1 工程管理
 2 施工要領書の作成
 3 建材・材料等受け入れ時の確認
 4 納入前の状態の確認
 5 材料の保管場所の確保
 6 施工状況の記録
 7 窓開け換気の励行
 8 補修工事・清掃

5 竣工時の測定

 1 測定計画
 2 測定方法
 3 測定の留意事項
 4 測定結果への対応

6 引き渡しおよび引き渡し後の運用について

9章 化学物質と測定方法

1 測定方法の分類
 1 目的による分類
 2 測定精度による分類
 3 採取方法による分類
 4 測定結果がわかる時期による分類

2 ホルムアルデヒドの測定方法

 1 標準測定法
 2 簡易測定法

3 トルエンなどのVOCの測定方法

 1 標準測定法
 2 簡易測定法
 3 TVOCの測定法

4 各種建物での測定条件

 1 住宅
 2 学校環境
 3 ビル管理法関係の建物
 4 新築の公営住宅

5 測定上の注意事項(1)─温度

6 測定上の注意事項(2)─換気
7 測定上の注意事項(3)─建材以外の発生源
8 測定上の注意事項(4)─化学物質の特性


引用文献/図表出典

索引
付録

 1 シックハウスに関する参考図書/ホームページ
 2 確認申請の手引き
 3 MSDSの見本
 4 [野池式]化学物質に関する質問シート