『建築技術』((株)建築技術)2004. 12
本書は2003年7月に施行された改正建築基準法の一歩先をいく、シックハウスの基本的な考え方や、必要不可欠な対策を、建築実務者・研究者(環境工学、設計、材料、設備、施工)や、医師、弁護士、患者など多彩な分野の執筆陣が、それぞれの立場からこのシックハウス問題に真剣に取り組んだ経験から得られたものをわかりやすく説明しています。
建築基準法は守るべき「最低基準」です。これさえクリアすればシックハウスの問題が解消されるわけではありません。また、法さえクリアできればよいというわけでもありません。本当に安心して暮らせる住宅を提供するためにも、本書はシックハウスの本質とその実践的・具体的対策を学ぶための入門書として最適の一冊でしょう。
『新建築住宅特集』((株)新建築社)2004. 7
2003年7月の建築基準法改正は、シックハウス対策を全面に打ち出して大きな反響を呼んだ。しかし、室内環境にもち込まれる数多くの化学物質のうちごく一部を規制したものであり、最終的な解決にはほど遠い。本書は、昨年7月〜10月に上記3団体が主催した研修会の講義内容をもとに、加筆・整理したもの。その対策は、有害汚染物質の発生を抑制する「材料主義」と、放散した汚染物質を低減する「換気主義」とに大別されるが、より根本的な前者の重要性はさらに高まっていくだろう。ここでは、「現場から学ぶ」とあるように、まだ未解明の領域が多く残された分野にあって、数々の実例からのフィードバックが着実な前進を感じさせてくれる。
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