『人と国土21』((財)国土計画協会)2004. 5
「本書を読まずして都市・農村空間を語るなかれ」強烈な言い回しが目を引く本書は、2000年の都市計画法改正で様相を一変させた線引き・開発許可制度について、現下の都市に生じている問題及び各地方公共団体における運用の実態を紹介しつつ、開発行為のコントロールやコンパクトタウン化に向けた制度活用の可能性を展望している。さらに今後の在り方として、国土利用計画の再編にも言及し、新たな「総合的土地利用計画」体系の枠組みを大胆に提案している。そして最後に、都市・農村共生時代に向けた戦略として、都市近郊農村における「田園まちづくり」の事業化シナリオを提案するなど、地方公共団体の都市計画担当者、都市計画コンサルタント、都市計画研究者に「一石を投じる」とともに、国の政策担当者にも醒覚を促す書と言えよう。
(赤井久宣) |
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