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あとがき



 故北畠淑江さんを追悼する目的で本書の発刊を検討しはじめてはや二年が経過した。  本来ならば、一周忌の霊前にこの書をたむける事を目標としていたが、我々の怠慢で一年遅れてしまったことになる。
 北畠さんは、奈良女子大学院修士課程を終了後、設計事務所に勤務し、その後独立された。結婚とともに仕事を中断されたが、子育てが一段落して再び設計の仕事に取り組みはじめた。この頃から、本書でも叙述しているように、日常生活に一番身近なオープンスペースである小公園をより豊かなものにしたいと実践の場でその力を発揮しているところであったが、家族の転勤に伴って渡米し、かの地で病魔に倒れられた。渡米直後には、子供の学校の花壇に花を植えるボランティア活動が春から始まる予定で今から楽しみにしているとしたためた手紙が届いたが、春を待たずに病床に伏してしまったのは非常に残念である。また、公園や都市の中の緑の空間をつくる時には「もてなし」の心が大切で、我々女性はこうした「もてなし」の心を生活の局面でいつも実践しているから、緑の空間づくりには女性は最適だと話していた北畠さんの真価がこれから発揮されようとする途上でもあった。我々は、彼女の思いを広く知らせたいと考えていたことがようやく形になってとりあえずほっとしているところである。
 会員の有志が日常の仕事の合間を縫って本書の執筆に取り組んだため、充分な考察が進められていない部分もあり、さらに今後も研究を進めていかなくてはならない部分もある。
 しかし、現段階で我々の持つ能力の最大限を発揮したものであるため、今後の我々がより一層の研さんを積むことでご容赦頂きたくお願いすると共に、幅広い方々からのご意見やご指摘を受けたいと願っている。
 最後に、この本の出版に対して協力を頂いた北畠さんの勤務先であった花豊造園株式会社代表取締役山田昌次さん、株式会社パーク綜合デザイン代表取締役松原法昭さんおよび様々なアドバイスや編集の労を取って下さった学芸出版社の前田裕資さん、久木美奈子さんには、心からお礼を申しあげたい。
 一九九四年一二月
執筆者一同  



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