提言!仮設市街地

第1章 仮設市街地とは

1 災害発生から都市復興までのプロセス
 1)これまでの大災害と復興への対応
 2)被災から復興までのプロセス
 3)予防・事前の対応が大切

2 仮設市街地の意義と役割
 1)阪神・淡路大震災の復興からの反省点
 2)仮設市街地の定義
 3)仮設市街地4原則

3 仮設市街地づくりの準備
 1)事前計画として
 2)計画づくりの準備
 3)「シャドウプラン」として用意しておく

4 避難所段階での地域マネジメント
 1)コミュニティ単位の避難は可能か
 2)避難所での安心生活のためのマネジメント
 3)仮設市街地づくりに向けたマネジメント

5 復興事業との関わりと相違
 1)復興プロセスと仮設市街地
 2)仮設市街地は生活復興の基地
 3)仮設市街地と地域復興協議会
 4)仮設市街地での復興まちづくりに向けた合意形成
 5)仮設市街地から復興市街地への円滑な移行
 6)仮設市街地への疑問に答える
第2章 歴史の中に仮設市街地を探る

1 「被災地近接」の実現―関東大震災
 1)市街地の大半を失った首都・東京
 2)復旧・復興への取り組み
 3)「仮設住宅」、「仮設住宅地」の状況
 4)関東大震災における仮設住宅とその特徴

2 さまざまな課題の提起―阪神・淡路大震災
 1)起こり得ないはずの災害が起きた……
 2)復旧・復興への取り組みと仮設住宅・仮設住宅地
 3)仮設住宅地のコミュニティ

3 仮設住宅地サポート活動の重要性―トルコ・東部マルマラ地震
 1)地震被害とその背景
 2)テント村→プレファブ仮設住宅→仮設住宅地
 3)仮設住宅地のサポート

4 小規模分散型、被災地隣接―台湾921集集地震
 1)中小都市と農山村部の被災
 2)分散した仮設住宅地
 3)民間主体、公益施設の併設
 4)集落の特徴を活かしながら

5 阪神・淡路大震災の教訓は活かされたか─中越地震
 1)大地と山の崩壊
 2)コミュニティを尊重した入居システムと仮設住宅
 3)多様な住戸タイプ、豪雪地帯への配慮、施設計画
 4)仮設住宅のサポート体制

6 仮設住宅地から仮設市街地へ
 1)仮設住宅地における「場」の整備
 2)仮設住宅地における「仕組み」の充実
 3)仮設住宅地における「活動」の展開
 4)仮設住宅地が閉じるとき

第3章 仮設市街地の実現に向けて

1 仮設市街地の計画
 1)首都直下地震を例に考える
 2)予想されるマダラ状被災
 3)2つの仮設市街地像―分散型と一団型

2 標準的な仮設市街地のつくり方
 1)場所(どこで)
 2)規模(どのくらいのひろがりか)
 3)土地確保(どの土地を活用するか)
 4)構成要素(何によってつくるのか)
 5)供用期間(いつからいつまで)
 6)計画・整備・運営主体(だれが)
 7)整備手法(どのようにしてつくるか)

3 仮設市街地づくりの社会実験―震災サバイバル・キャンプ・イン'99
 1)市民発意・市民主体による社会実験
 2)被災から復興までのプロセスを疑似体験する
 3)震災サバイバル・キャンプ・イン'99から得られたこと

4 仮設市街地づくりの検証―復興模擬訓練
 1)都内各地での復興模擬訓練の実施
 2)復興模擬訓練の事例―足立区西新井西口地区の場合
 3)各地での訓練で得られた成果と課題
 4)仮設市街地の模型キットの開発

第4章 仮設市街地の建設と運営

1 仮設市街地の建設手順
 1)基礎となる資料づくり
 2)建設準備
 3)住まいづくり
 4)暮らしを継続する施設づくり

2 建設プログラムのポイント
 1)仮設市街地の全体像の提示
 2)地域主体型仮設住宅と入居者
 3)撤収への計画的取り組み

3 仮設市街地の運営で考慮すべきこと
 1)運営組織による運営拠点の確保
 2)阪神・淡路大震災神戸市野田北部での経験

4 仮設市街地での生活復興
 1)生活復興のために必要なこと
 2)復興まちづくりに向けた仮設店舗の建設

第5章 復興に向けた活動

1 復興まちづくりの基本
 1)被災者主体の復興まちづくりを
 2)復興の話合いは身近な場で

2 専門家の役割
 1)住民・地権者と行政の溝を埋める
 2)専門家の異議申し立てと新たな提案
 3)事前の備えに専門家の参加を
 4)専門家の自発的な活動を

3 被災者の目線から制度を考える
 1)被災によって、地域住民は、どのような境遇におかれるか
 2)被災住民がつくった自生的仮設市街地
 3)時限的市街地という制度的工夫

4 地域住民組織の復興活動と時限的市街地
 1)避難所運営が、地域協働復興の「提議」をはらむ
 2)住民主導の意志表示としての時限的市街地へ
 3)「建築制限」を逆手にとること
 4)時限的市街地の運営と復興の本格協議へ
第6章 今から考えておくべきこと

1 事前の防災・復興まちづくり
 1)被害軽減策
 2)事前の復旧・復興計画
 3)まちづくり協議会の組織化、住民・行政・専門家等のネットワーク形成

2 震災前から仮設市街地に向けて取り組むべきこと
 1)地域コミュニティがやるべきこと
 2)自治体がやるべきこと
 3)自治体の施策事例―東京都の計画の仮設市街地の考え方について
 4)復興模擬訓練のさらなる普及・展開

3 今後の課題
 1)法制度等の改正の提言
 2)今後検討すべきいくつかの重要課題