学社融合型学校は千葉県秋津小学校に見るように、コミュニティとこどもの関係を再構築する最も有効な活動です。現代の日本のこども達の成育環境の問題は、空間・時間・方法・コミュニティという4つの要素で考えねばなりませんが、この4つの要素が今、縮小、減少、貧困化の悪化の循環に陥っています。その中でもコミュニティは最も重要です。あそぶ方法もコミュニティがなければ伝えられませんし、成り立ちません。住民コミュニティが主役である学社融合型学校は、まちも学校もこども達も元気にします。
放送大学教授 /こども環境学会会長
仙田 満
私は、学校が、こんなにも魅力的で、楽しい、文化あふれる場、子どもだけでなく地域のいろいろな人々が集いたがる拠点、になりうるのだということをこの秋津小学校の岸さんたちの実践ではじめて知った一人だ。同じ思いをした人は私の周りに一杯いる。大げさでなく、一杯いる。学校が希望を失いかけていた時期に、秋津小学校がどれほどの勇気と夢を全国に与えてくれたか、言葉にならない。本書は、秋津小学校のそうした試みを背後で支えてきた岸さんたちの努力の実際と隠された秘訣や教訓を全国の同じような志をもった人に初めて本格的に開陳しようとしたものだ。地域レベルでの持続可能な社会づくりの意味を鮮やかに示したものでもあり、まちづくりの教科書だ。