目 次
一章 重要文化財民家指定の歴史
  一 民家保存の流れ
  二 指定のプロセス
  三 文化財指定と所有者の想い
  四 修理事業について
  五 アンケートにみる所有者の現状
     ◆民家点描◆ 防火用桶

二章 歴史が育む住まいの姿
  一 風土と住まい
     1 奥州路・田沢湖畔の曲屋<まがりや>
     2 越後路・広大囲炉裏の間
     3 甲州路・鉄線の花咲く本陣
     4 信濃路・安曇野<あずみの>の古民家
     5 東三河・釜屋<かまや>建ての住居
     6 大和路・茅と瓦のシンフォニー
     7 伊豫路・山間の炊煙
     8 沖縄本島・シーサーとひんぷんと
  二 災害に備えた住まい
     1 大地震の教訓を生かした耐震構造
     2 火災、水害に備えて―大河に沿う旧太田脇本陣
     3 海抜ゼロメートル地帯の防災対策
  三 復原・補修等修理工事をめぐって
     1 千年家変貌―解体・移築・復原
     2 民家初の復原修理・建築当時の建築意匠復活へ
     3 復原か伝承か「玄関」の存否をめぐって
  四 さまざまな建築意匠
     1 大鳥の憩う本棟造<ほんむねづくり>
     2 旅篭のインテリアデザイン
     3 漢方薬本舗とお小休<こやす>み本陣
     4 京町家・数寄屋の意匠
     5 長蔵<ながくら>・赤壁・竃<かまど>
     6 瀬戸内の小京都・儒家と商家
     ◆民家点描◆ 秤量器
     ◆民家点描◆ 保存食の凍り餅

三章 現代に伝える住文化
  一 季節と行事
     1 敷島の道を伝えて
     2 百舌鳥<もず>精進に始まる一年
  二 息づく歴史とともに
     1 平家ゆかりの家
     2 宮島の上卿<しょうけい>屋敷
     3 麁服<あらたえ>調進・阿波忌部<いんべ>氏の直系
     4 南朝遺跡「旧皇居」
     5 伊豆の反射炉
     6 維新前夜と鞆<とも>の浦
     7 戌辰<ぼしん>残映―白虎隊出陣基地の旧滝沢本陣
     ◆民家点描◆ 囲炉裏の灰模様

四章 伝える工夫・残す試み
  一 重要文化財民家に住む
     1 現状(未復原)のままの住まい
     2 復原工事終了後の住まい
  二 公開と活用
     1 奇跡的に残った沖縄観光のスポット
     2 二条陣屋
     3 中世武士の館と織物染色工場
     4 農山村の文化財民家
  三 起業の試み
     1 旅館と料亭―鴨の貝焼と会席料理
     2 農家レストランと京の湯豆腐
     3 土間の喫茶店
  四 公益法人化という選択
     1 重文建物の税務評価をめぐって
     2 財団法人化
  五 修理と管理
     1 茅葺き屋根の修理
     2 遠隔管理―防災・防犯への取組み
  六 重文民家の保存をめぐる今日的課題
     1 民家保存の現状と課題
     2 文化財の活用とまちづくりへの貢献
     3 文化財の活用と支援処置等の充実
     ◆民家点描◆ 古き雛たちの集い

五章 ひろがる動き
  一 町並み、地域文化の核として
     1 まほろば≠フ重要伝統的建造物群保存地区
     2 山陽道の旧本陣と旧脇本陣
     3 白壁の重伝建地区
     4 「黄金の日々」残照・市民都市の名残りを伝えて
     5 小江戸の風情を残す蔵造の町並み
     6 地域ボランティアとともに
  二 海外の事例を追う
     1 イギリスの歴史的住居
     2 ザ・ナショナル・トラスト
     3 アメリカの古民家開放
  三 将来像への提言
「二十一世紀の古民家を考える」公開シンポジウム
  一 シンポジウムの概要
  二 パネルディスカッション
     1 民家保存の意義とは
     2 維持・管理
     3 活用・公開への取組み
     ◆民家点描◆ 飾り櫛
 見学マナー
 全国重要文化財民家リスト
 あとがき