第3回 歴史・文化のまちづくりセミナー
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宿場町は外国にはないのか

三船康道:

改行マークどうも有り難うございました。 新旧の対比をしながらの説明で非常にわかりやすいお話でした。 では、 藤島亥治郎先生に、 先ほどの大河先生の質問のお答えも含めまして、 最後にお話を伺いたいと思います。 先ほどの質問は、 他の国でも宿場町はあるのかというお話でしたが、 いかがでしょうか。

藤島亥治郎:

改行マーク宿場という一つの細長い都市形態があちこちにあるというのは、 外国ではあまりないですね。 宿場町というものはないですが、 集落はあちこちにあります。 要するにそれが宿場の役目を果たした所がかなりある、 ということだと思います。

改行マーク例えばドイツの場合では、 都市が随分併設して並んでいます。 ディ−ロマンティッシュ−シュトラーセ・ニュールベルクだとかレーデンスベルクだとかありまして、 それから隣の都市があまり距離がなくて行けるもんだから、 そっちへ泊まるか、 あっちへ泊まるかということじゃないの。 私はそうして歩いたんだから。

改行マークドイツの中央部分は隣り合うようにして町がたくさんあります。 どこにも宿屋があるから、 どこに行っても良い。 駅の近くには安宿があるから。 昔の話だけど、 今もそうでしょう。

改行マークべつに宿場という考えはなかったね。 僕自身がその当時宿場というものを知らなかったもの。 大学出て3、 4年の内に外国に行っちゃたんだから。

大河直躬:

改行マーク宿場という制度も無かったということもありますし、 中世の以前から地中海から北の方へ向かう道に沿って小さな都市が発展していました。 中山道はかなり人工的に造ったわけですよね。 町のないところを随分移動させたり新設されたところがあるわけだから、 そういうところが違うんじゃないでしょうか。

藤島亥治郎:

改行マークそうなんだろうな。 だいたいそれとね、 日本は列車のように、 ながーい島だから、 どうも頭がながーくなっちゃてるんじゃないの。 そんな潜在意識もどこかにあるんじゃないの。

大河直躬:

改行マーク道路に沿ってずっと長い集落を造るというのは、 中国なんかにはあまり無いですね。 韓国に行くと、 どうも韓国の新しい集落、 日本の統治時代の集落が日本の町家と同じ様なものを造っていますよね。 台湾でも日本の統治時代のやつがそうですね。 台湾の古いものは道観を中心にした、 かたまった集落です。

改行マークある意味では、 日本は外国から攻められたり戦争がなかったから、 ヨーロッパの場合だとまわりから攻められるから、 小さな町でさえお城を造って守ってます。

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