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協働のデザイン




書評




『地域開発』((財)日本地域開発センター) 2001.10
 今まで行政セクターがすべて担ってきた公共サービスを、これからは行政とNPOが役割分担していくべきだ、そのためには、新しい仕組みづくりと人づくりが大切である、と筆者は主張する。

 本書の中では、例えば、NPOと行政、NPOと企業、NPOとNPOなどの間における真の協働とは何かを熟考し、概念を整理する。そしてNPOが多様な社会サービスの領域に参入できるように機会の平等を確保する仕組みづくりが提案される。また、市民が参加し協働型の社会を作り上げるためには人材(ここでは「協働コーディネーター」と呼ばれている)の養成が必要だとし、その具体的方法をNGOの経験からまとめている。さらに、行政、NPO、および協働事業の評価システムの必要性を説き、これまでに分かっている具体化に向けた課題と方策を紹介する。
 市民・NPO・自治体が知恵を出し合い、環境・福祉・まちづくりを協働で行うという新しい「デザイン」について書かれた、理論と実践の書である。


『ガバナンス』 (鰍ャょうせい発行)  2001.6
 現在、“協働”流行(ばやり)である。小泉首相も所信表明演説で触れたところだ。今、各地の首長、議員等で明確に“協働”を否定する人がいるだろうか。
 著者はこの現状に危惧を表明している。「NPOへの無防備かつ過剰な期待は、ひとつ間違うと大政翼賛的な市民参加、下請け、共依存関係、癒着的な協働、行政の責任回避に陥る危険性をはらんでいる」──真の「協働」を具体的に追求する本書は、すべての Public Worker の必読書だ。


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