建築・交通・まちづくりをつなぐ
共生のユニバーサルデザイン




あとがき


 今ユニバーサルデザインの現場で入門書がなく、多くの人たちから出版が期待されている。本書はとにかく平易で幅広い内容であることをこころがけ、学生には教科書、実務家には手引き書となるものをめざした。何しろまだ若い分野であり、成長期にある分野だけに、記載すべき内容、幅について大方の合意を得られそうな構成を決めがたく、執筆者3人で何度も討論を繰り返しながら本書を作成してきた。
 2000年の交通バリアフリー法によるバリアフリー基本構想づくりは、わが国あげての社会基盤のバリアフリー化第一期ともいうべき怒濤のような時代であった。今また、まちづくりや都市の活性化としっかり結合し、地域の風土や個性を反映し、対象者を拡大した第二期ともいうべき共生のユニバーサルデザインの時代が始まり、政府も新しい取組みに着手している。手探りであった第一期から発展して、考え方、知識、方法、内容においてより高いレベルが必要とされるが、本書がその役にたてれば望外の幸せである。
 本書の作成に当たって、大熊昭氏(国土交通省)、林隆史氏・沼尻恵子氏・藤村万里子氏(一般財団法人 国土技術研究センター)、沢田大輔氏・竹島恵子氏(公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団)他、多数の方々のお世話になった。記して謝意を表する。
 最後に本書の執筆と作成に当たって学芸出版社の井口夏実氏にはひとかたならずお世話になった。本書は井口氏の激励があってはじめてできたと言って過言ではない。改めて感謝の意を表したい。
著者一同