一目でわかる建築計画


書  評

『建築士事務所』((社)日本建築士事務所協会連合会) 2002.12
 意匠設計のみが設計と考え、せっかく学んだ建築計画の基本を生かし切っていないことはないだろうか。本書は、設計に必要な建築計画の基礎を全編イラストで表現することによって、楽しく、着実に身につけようとした東京工業大学青木研究室と日本大学浅野研究室の新しい試みの成果である。一目で分かるように「問題点を含んだ都合の悪い例」とそれを改善した「こうした方がよい例」を明快なイラストを左右に並べて表示し、何が問題で、どうすればよくなるかがイラストを見るだけではっきりと理解できるように構成されている。すぐに役立つ計画・設計のノウハウが直感的に理解できる画期的、待望のテキスト。

『建設通信新聞』(日刊建設通信新聞社) 2002.11.19
 知っておくべきすぐに役立つ計画・設計のノウハウを、安全やバリアフリー、環境など共通事項と、病院や住宅、学校などの各施設に分け、体系立てて説明している。
 タイトル通り一目でわかるように、すべてのテーマについて1ページの左側に悪い例、右側に良い例をイラストで示している。たとえば、「狭い部屋の開き扉は外開きとする」の項目では、トイレが内開き扉だと倒れた人がじゃまになってドアが開かない絵を左側に、外開き扉だとすぐに救出できる絵を右側に載せている。
 テーマごとの説明文は、3、4行と簡潔にまとめた。また、人間観察の勧め、住まいのカタチなどのコラムもあって楽しく読める。
 学習用シートを本書の作り方に沿って自作すれば、左側の悪い例をもとに、どのようにすれば解決できるかを考えることができる。

『室内』(轄H作社) 2002.10
 東京工業大学の青木研究室、日本大学の浅野研究室のゼミの成果をまとめた一冊。建築計画のためのノウハウを、イラストで解説したものである。第一部は、どんな建物にも応用できる、安全、バリアフリー、環境に配慮した設計のポイント。第二部からは、住宅、病院、スポーツ施設、事務所、学校など、建物ごとにある問題点をまとめてある。例えば避難階段の取合い、車椅子利用者にとって使いやすい取手の位置、病院を設計する際に霊安室の位置をどう考えるべきか。本書はこういった設計者として知っておかねばならないことを、イラストで一問一答している。イラストは一問に対し2点。右が成功例、左が失敗例という組合せ。

(呆)










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