ステップアップ演習Jw_cad
ショートカットで高速製図

はじめに

 CAD(Computer-Aided Design)は、コンピュータ上で図面を作成するシステムのことで、現在の建築業界ではCADによる製図が主流になっています。
 Windows(XP、Vista、7、8)で動くJw_cadは、建築図面作成に適したCADとして90年代からプロの現場でも使用されている高性能なフリーソフトです。さらにJw_cad(以下、Jwと表記)は使いやすいので、教育用CADとしても多くの大学や専門学校などで使用されています。
 ただ「使いやすいCAD」と言っても、初心者にとって聞き慣れない専門用語が並ぶマニュアルを頼りに練習するのは大変です。またJwは、プロの要求を満たすことができるCADゆえに、150個以上のコマンドや、数えきれないサブコマンド(コマンドの補助的コマンド)が用意されています。
 しかし、実際は、すべてのコマンドやサブコマンドを使わなくても、効率よく建築製図を描くことができます。

 本書は、Jw入門者を対象とした大学や専門学校のCAD演習授業、あるいは一般向けのCAD講習会のテキストとしての使用を目的として、次の3ステップでJwによる製図のマスターを目指します。

1)例題 によって、Jwのコマンドの機能を理解し、基本的な使い方を練習する。
2)重要なコマンドについては、 演 習 によってさらに理解を深める。(巻末解答)と表示がある 演 習 については、巻末p.183、p.184ページに解答を示す。
3)製図演習によって、CAD製図の段取りを考え、コマンド選択の流れをつかむ。

本書の構成

 本書では、1章でJwの準備、2章で画面操作の練習、3章から5章でコマンドの練習、6章で製図演習を行います。
 1章から5章では、 例題 を通じてJwの設定方法やコマンドの使い方を身につけます。
 そのなかの重要なものについては、もう一歩踏み込んで練習できるように 演習 を用意してあります。
 また、次のような項目も用意してあります。
〈ポイント〉コマンドを使用する上で、重要なポイントをまとめて示します。
〈アドバイス〉コマンドを使用するコツや、ちょっとした裏技を説明します。また、
例題以外の使い方についても解説します。
〈ルック〉画面上に表示される見落としがちな情報について解説します。
〈ヒント〉 演習課題にチャレンジするためのヒントを示します。
 6章の製図演習では、Jwのフォルダにあるマンション平面図(一部修正したもの)を
段取り良く製図する練習をします。