まちづくりそのものは、 継続的に、 また長期間行われるものであるので、 いつでも「まちづくり まっただなか」であると言えよう。 しかしここでは、 都市施設の整備や市街地の開発など始まりと終わりが明確なプロジェクトを思い浮かべて、 その整備中の段階でのイベントを取り上げてみよう。
まちづくりプロジェクトの始めや終わりは起工式や完成式などに見られるように、 記念的なイベントが行われることが一般的であるが、 中間段階で行うというのは余り一般的ではない。 それだけに整備主体の様々な思いが込められているイベントであり、 形式的でないことから中々面白い事例も見られる。
ではどのような狙いがあるのであろうか。 大きく分ければPR型と参加型のイベントがあり、 それぞれ次のような期待が込められている。
特に市民参加のまちづくりを推進していくという観点からは、 進行しつつあるプロジェクトの紹介は良い機会になる。 時には単にその事業そのものだけでなく、 まちづくり全体に対する関心を高める場としても活用できる可能性があると考えられる。
しかし進行中の事業であるから、 単に完成予想図などをパネルで展示するだけでは、 あまり大きな効果を期待できないこともあり、 人々を引きつけ、 より深く理解してもらうためには一工夫した方が良いこともある。
当然ながら、 このような参加型のプロジェクトは人々の関心を呼び、 また施設などが完成した後はより愛着を持って利用されていたり、 時にはその維持管理などに市民の協力を得られる可能性もある。
どのような参加をプロジェクトに組み込んでいくか様々な展開が考えられるが、 まちづくりに市民参加が一層重要となってきたことから、 今後色々な試みが行われるのではないだろうか。
このPRと参加という2つの要素は相互に関連する部分も多く、 紹介する事例に見られるように一つのまちづくりイベントの中に両方が含まれて展開されることも多い。 いずれにせよ、 まちが変化しつつあるという機会を捉えたイベントは、 未来への期待と参加を表現していく場として大きな効果が期待され、 今後一層盛んになるものと思われる。