まちづくりイベント・ハンドブック
2章1節

まちづくりへの関心を高める

図

杉並知る区ロードでは子どもたちの探検記録を
雑誌にして子どもたちの関心を高めている
(資料提供・杉並区まちづくり推進課)


 まちづくりを考えるに当たっての第一歩は、 まちに住む人々が「まちに関心を持つこと」ではないだろうか。

 人々がまちへ関心を持てば、 「緑がもっとほしい」、 「何か地域の歴史をまちに活かしたい」など、 まちに対する欲求が生まれたり、 幹線の道路など広域的でまちの基礎となるような施設をつくる際にも、 まちづくりの視点からその計画に評価を行うようになるなど、 市民が積極的に参加するまちづくりの機運醸成に繋がって、 必ず将来まちにとって良い方向で反映されていくことだろう。

 このため、 行政やまちづくりに関する市民組織など、 まちづくりにかかわる人々は、 日頃から多くの市民がまちに関心を持つよう努めることが大切であり、 このことに対してまちづくりイベントは大きな役割を果たすことになる。

 ここでは、 多くの市民がまちに関心を持つきかっけをつくり、 さらにその関心を深めていくようなまちづくりイベントを紹介している。

〈見る・体験する〉

 ウォークラリー、 ゲーム、 コンテストなど実際にまちに触れる機会を設けることによって、 まちを知り、 関心を持ってもらうこと。 知ってもらう内容も普段着姿のまちから、 晴れ着姿の時、 場所まで様々である。 とりあえず興味を持って参加してもらおうというものだが、 中には他のイベントに押し掛けていってまちをPRするものもある。

〈知識を深める〉

 講演会やシンポジウムなど、 まちに関する歴史・文化などの知識を深める機会を設けるもの。 これによって単に見ただけでは分からないまちの良さ、 アイデンティティに気付くなどまちへの関心が深まることになる。

〈提案する〉

 まちの将来の姿など、 まちに関する夢や提案をワークショップなどで発表するもの。 このレベルまでくるとまちへの知識も関心も相当高まっていることから、 こうした場での議論が深まるにつれ、 まちづくりへ参加したいという気持ちも深まってくることだろう。

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