序論第1章 専用住宅の成立と郊外化
《1》職と住の分離──サラリーマンの誕生
住宅地とは何か/都市環境の悪化
《2》ガーデンシティとベッドタウン
ハワードのガーデンシティ/レヴィットタウンのこと
《3》サムライの夢、サラリーマンの夢
成功のあかし/理想のモデル/階層化する専用住宅地
《4》住宅地観
住居観と住宅地観/住宅地観の構成要素
第2章 郊外住宅地の誕生──ユートピアの軌跡
《1》関西の戦前郊外住宅地開発
大阪市近郊の耕地整理と区画整理/郊外部の開発
戦前における郊外住宅地開発の四つのタイプ
《2》ユートピアづくりの戦略
開発コンセプトとしての「健康」
リゾート機能整備によるイメージづくり/クラブ型組織の形成
《3》郊外住宅地の空間構成
まちのかたちの比較/空間構成の変化
《4》情報化する郊外住宅地
私鉄沿線と住宅地イメージ/戦前の住宅広告に見る住宅地イメージ
現代の住宅広告/情報化の加速装置
第3章 郊外の拡大と侵食
《1》高度経済成長期の住宅政策と持ち家の増加
住宅政策の三本柱/大衆化する住宅需要
《2》広がり続ける大都市圏
DIDの拡大/ニュータウンとスプロール/オールドタウン化するニュータウン
《3》郊外の解体と変化──ユートピアなんかじゃなかった
空洞化/大衆化/商業空間化
《4》こもる郊外、くらす郊外、訪れる郊外
住宅地の多様化と住環境の商品化/こもる郊外、くらす郊外、訪れる郊外
第4章 郊外の消滅
《1》変容のベクトル
《2》デザインの慣性力──帝塚山の場合
帝塚山のこと/景観の特徴と変貌/細分化する敷地
建て替えられた建物のデザイン/イメージの慣性力
《3》高級住宅地の変容──六麓荘の場合
六麓荘の歴史/ゆるやかに進む宅地細分化
《4》健康住宅地の変容──甲子園の場合
甲子園経営地の概要/浜甲子園健康住宅地/住宅地の変容
《5》流動化する戸建て住宅──箕面市桜井の場合
相続と売買の実際/戦後開発の郊外住宅地との比較
《6》郊外ユートピアの消滅
阪神・淡路大震災後の阪神間/郊外一戸建て住宅は終の住まいか
第5章 超郊外へ
《1》超郊外とは何か
自立する郊外/エッジシティ/ニュータウン開発のトレンド
《2》超郊外の生活
職住近接の夢/描ききれない超郊外のライフスタイル
第6章 テーマタウン
《1》テーマタウンの誕生
テーマタウンの試み/差別化戦略と事業化コンペ
《2》テーマタウンのテーマ探し
あいまいさと多様性の計画──コモンシティ星田
歴史を結ぶまちづくり──コスタ・ミラ二色の浜
アーバンデザインの縮図──六甲アイランドシティ
一連のコンペが築いた町──西神ニュータウン
「村」という町──ワシントン村・兵庫村
環境共生のテーマタウン──宝塚新都市ほか
《3》テーマタウンの功罪──非日常のなかの日常生活
《4》新しいテーマタウン
増える選択肢/これからのテーマは何か
第7章 郊外と家族
《1》住まいとは何だったのか
記憶装置としての住まい/くらしの儀礼化
《2》大きな記憶装置としての郊外住宅地
町に記憶は埋め込まれるか
《3》ユートピアという檻
貧しい郊外居住/閉じ込められた女性/お出かけ文化
《4》家族の解体
団塊の世代──郊外の主役/核分裂家族
架空家族を待つ家/郊外二世のライフスタイル
結 章 テーマタウンをこえて
あとがき