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プロのノウハウ 建築関連法規を読みこなすコツ




はじめに



 建築基準法もずいぶんと条文が多くなりましたから、これを読みこなすのは、なかなか大変です。ところで、建築基準法は、それだけで独立したものではなく、多くの関係法令と一緒になって成り立っています。そのため、本当に建築基準法を読みこなすためには、単に建築基準法だけを熟読するだけでは足りないように思います。
 建築基準法をとりまく多くの関係法令(周辺法令)にも精通している必要があります。しかし、このような周辺法令の勉強は大変です。そのような法令の数が多いのも原因の一つです。したがって、数多くの法令の解説書を勉強しなければならないことになります。
 ところがもう一つ面倒な問題が残ります。建築物の民事関係の一つで有る相燐関係は民法に規定されているのですが、それは部厚い民法関係の解説書のごく一部しか関係がありません。消防法や都市計画法は、もっとも密接な関係がある周辺法令ですがこれとても、そのすべてが建築に関連した条文ではなく、、そのごく一部が消防用設備の設置・維持に関する規定であったり、用途地域の指定に関する規定であったりするのです。
 このようなことは、電気事業法、ガス事業法、水道法、下水道法についても言えます。また、直接的ではないとしても、道路法、土地区画整理法、都市再開発法の規定なども建築関係者としては、ある程度の知識を持っていたいものです。
 また、建築物の用途は、あらゆる文化・産業と関連がありますから、それらの営業諸法の中の建築基準についても精通しておく必要があります。学校関係ならば学校教育法、病院関係ならば医療法というような法令です。これについては非常に多岐にわたるので、本書では特に社会的に問題となりがちな「風俗営業・風俗関連営業」と、卸売市場や火葬場のようないわゆる迷惑施設とか嫌汚施設とよばれるものについて取り上げています。
 そのような訳で、本書は建築基準法を十分に読みこなすために必要となる「周辺法令を読みこなす」ため必要な知識をまとめたものです。これまでは、そのような周辺法令のみを取り上げた解説書が見当らなかったように思い、執筆したものです。その点『新版建築基準法を読みこなすコツ』の姉妹編ともいうべきものです。同様に御愛読下されば幸せです。
1984年秋    高木任之


 なお、この本は1993年1月から1994年12月まで、(社)大阪建築士事務所協会の機関誌「まちなみ」に連載された「建築基準法の周辺法令」を全面的に加筆補正してまとめたものです。


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