空気調和設備の施工あるいは運転、保全管理の業務に参入を希望される初心者の方々に、空調技術をスムーズに理解していただければとの思いを込めて、イラストレーターの木村芳子先生のご協力のもと、本書を執筆した次第ですが、初めて空気調和を学ばれる皆様方の学習書、参考書としてお役に立てたでしょうか。
本書は肩が凝らないよう、初歩的なレベルの空気調和の技術を解説しましたので、なにか物足りない感は否めないと思いますが、この書で学んでいただいたことをバネにして、専門的な知識にチャレンジして下さることを念願してやみません。
斯界での飛躍の糧となる専門的な学習書、参考書は多種出版されており、これからの勉強のための書物の選択には少し戸惑われると思いますが、筆者が本書を執筆するに際して、参考にさせていただいた書籍をつぎに示しておきます。(順不同)
1.小原純平編「100万人の空気調和」オーム社
2.小原純平編「続・100万人の空気調和」オーム社
3.平野彦兵衛著「空気調和装置の施工と保守」朝倉書店
4.塩澤忠義著「新入社員のための実践ビル管理入門」オーム社
5.空気調和・衛生工学会編「空気調和設備の実践の知識」オーム社
6.吉村武、朝岡隆夫、二木良彦共著「空気調和設備」彰国社
7.新雅夫、松野済美、松本敏男共著「空調設備一問一答」明現社
8.空調技術用語研究会(中井多喜雄)編「図解空調技術用語辞典」日刊工業新聞社 9.長岡順吉著「冷凍の原理とその応用」共立出版
10.石渡憲治著「冷凍空調実務読本」オーム社
11.ボイラー用語研究会(中井多喜雄)編「図解ボイラー用語辞典」日刊工業新聞社 12.中井多喜雄著「ガスだきボイラーの実務」日刊工業新聞社
13.塩澤忠義編「ビル設備管理事務用語早わかり」オーム社
14.今井一郎、狩野一男著「建築設備の自動制御入門」技術書院
15.中井多喜雄著「ボイラー技士のための自動制御読本」明現社
16.オーム社設備と管理編集部編「図解ビル設備管理実務マニュアル」オーム社
17.配管用語研究会(中井多喜雄)編「図解配管用語辞典」日刊工業新聞社
空調関係の専門書は以上の他、多種ありますが、ご自分の希望職種やレベルに適したものを選択されるのが良いかと思います。
そして、斯界で活躍されるには関係する法的な資格を必要不可欠とします。空調に関連するおもな法的資格は次のようなものです。
危険物取扱者(甲種、乙種、丙種)、冷凍機械責任者(1種、2種、3種)、ボイラー技士(特級、1級、2級)、建築物環境衛生管理技術者、空気環境測定技術者、建築設備検査資格者、建築設備士、管工事施工管理技士(1級、2級)。
いずれにしましても、本書をマスターされた後、斯界における専門家をめざして、チャレンジされますことを祈っております。
1991年12月中井多喜雄