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初めての建築力学




はじめに



   西日本工高建築連盟では、工業高校建築科の生徒が自主的に学習を行い、建築に関する基礎知識の修得のための手引き書となるよう、1996年に「建築のテキスト」シリーズ第一弾として「建築環境」、「建築一般構造」、「建築構造設計」、「建築積算」、「建築製図」を発刊した。その後、残る分野についても早期に発刊をという要請が強くあり、ここに新たな編集委員会のもとに本シリーズ第二弾として「建築計画」、「建築構造力学」、「建築材料」、「建築施工」、「建築法規」、「建築設備」および「建築CAD」の7巻を刊行することとなった。
 内容は、前シリーズと同様、工業高校建築科の生徒はもとより、専門学校、短期大学、大学の建築関係の学生および若い実務家に至るまでの幅広い読者層を考慮するものとなっている。
 
 「建築計画」は、建築物を計画するための基本的な考え方や、住宅をはじめ集合住宅、事務所、幼稚園、図書館を取り上げ、各種建築物の計画手法をわかりやすく解説している。
 「建築構造力学」は、建築物の安全性を考えるうえで重要な部材に生ずる力を解析する能力を養うため、各種の解法や断面性能について例題を多く取り入れて、わかりやすく解説している。
 「建築材料」は、建築物に用いられる様々な建築材料を構造材料と仕上材料などに大別し、各種材料の特性や使用方法などについて図版を数多く用いて、詳しくていねいに解説している。
 「建築施工」は、木造軸組在来工法および枠組壁構法による住宅、鉄筋コンクリート造の共同住宅ならびに鉄骨造の事務所の工事例をとおして、建築物がつくり出される過程や施工上のポイントについて、具体的にやさしく解説している。
 「建築法規」は、建築基準法をはじめ、難解な建築関係法規が容易に理解できるよう各条文の考え方や規定の内容について数多くの図版を用いて、詳しく解説している。
 「建築設備」は、快適で便利な建築空間をつくり出すうえで重要な要素の一つである空気調和設備、給排水衛生設備、電気設備などの計画に関する基本事項について、具体的にわかりやすく解説している。
 「建築CAD」は、前シリーズの「建築製図」で取り上げた木造住宅と鉄筋コンクリート造事務所建築の設計図を例題として、CADの活用方法や入力方法などについて、わかりやすく解説している。
 
 なお、本シリーズは、日頃建築教育にたずさわる本連盟の会員が知恵を出し合い、多くの図版を用いて初学者の皆さんが楽しく学べるように工夫し、編集したものである。皆さんが多少の努力をおしまず、根気よく学べば、建築に関する基礎的知識が、必ず修得できるものと確信している。
 発刊にあたり、貴重な資料の提供と適切な助言を賜った関係各位に、深い感謝の意を表するとともに、出版を引き受け積極的な助言をいただいた滑w芸出版社社長をはじめ、編集部の諸氏に厚くお礼申し上げます。
 
建築のテキスト(増補版)編集委員会



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