スマートグロース


書 評

『地域開発』((財)日本地域開発センター) 2004. 1
  本書によると、スマートグロースとは自治体中心の事前確定的なゾーニングによる都市計画システムに代わる、多様な主体の意向調整を通じて成長をうまくやりくりする枠組みである。そこでは「持続可能性」をキーワードに、自然環境や文化資源の保護・ダウンタウンの再生・低所得者層の居住環境改善等の多くの課題に包括的に対処することが求められている。
  本書は、土地利用の概念を図示することで各種インフラや基礎自治体間の総合調整を行っているフロリダ州、ポートランド都市圏の成長管理のための独立した広域行政機関メトロを創設したオレゴン州、郡のマスタープラン策定に基礎自治体の首長が参加することで意向調整を行うワシントン州等の各州の事例を通じて、米国のスマートグロース政策を紹介した書である。著者らはこれらの事例を通じて、日本でも意向を総合的に調整し包括的な観点から土地利用を制御する都市計画の仕組みが必要だと指摘している。