写真マンガでわかる建築現場管理100ポイント


おわりに
 これまで、建築現場におけるブロークンウィンドウズ理論の事例を100項目、みていただきました。現実には、さらなるブロークンウィンドウズは、たくさんあると思います。鋭敏な感受性で気づいて欲しいものです。
 現場の管理をして、ブロークンウィンドウズ現象には気づかない場合もあります。気づいても、問題と認識できるか、問題を実際に対処して解決するか、他にも同様の問題がないか確認するか、などのレベルがあります。人間は人により常にバラツキます。同じ人でも、条件が異なればバラツキます。そこを乗越えて鋭敏な感受性が要求されます。100項目のヒントがあれば、目も養われ、それなりの感受性ができたと思います。自分なりにアレンジして、それぞれの現場で、ブロークンウィンドウズに気づき、対処して欲しいという思いでまとめたのが本書です。
 いったん、現場で、「管理していない」シグナルを発信してしまうと、人間の弱さで、つい甘えてしまい、自分の都合のよいように勝手に解釈して、納得してしまいます。それが、現場の品質を低下させ、コストを上げ、工期を遅らせ、安全を阻害し、人間関係を崩し、環境を悪化させ、建築主の不満として連鎖していきます。
 現場では、「管理している」シグナルを発信して欲しいものです。
建築主の夢の住まいづくりの一端を担うプロですから、技術者として、恥じることなく、満足感を得ることのできる現場管理をしていきたいと思います。この仕事は、建築主を幸せにする素晴らしい仕事です。その対策はすでに頭の中にあります。行動をおこす直前まできています。