たまたま近在の専門学校で受験講座を受け持つようになってから，もう何年も経ちます．いままで市販の参考書に自分なりの解釈を加えながら講義をしてきましたが，自分も納得し，相手にも分かりやすい説明を心掛けるに従い，いっそのこと自分の経験を踏まえた参考書を作ってみてはどうだろうか，と考えるようになりました．
受験参考書は，現在の主流が４科目を1冊にまとめたものなので，概して情報が足りません．逆に，教科書的なテキスト本は情報が多過ぎ，受験対策として不要な部分も随分あります．だからといって，本書の分量がちょうど良いというつもりはありませんし，所詮，過去問の解説本に過ぎないので，新しい問題にどれだけ対応できるのかわかりませんが，少なくとも受験対策として必要十分な全体像をまとめることはできたと考えています．
これまで培ってきた方法論が，多くの受験者に役立つのであれば幸いですが，本書の内容が読まれた皆さんにどれだけ受け入れられるかは，まだまだわかりません．それに，構造を専門としない浅学のため，説明が十分でない部分も多々あるでしょう．機会があれば，より良いものに改めていきたいと考えています．
最後に，原稿が仕上がるまでの１年間，辛抱強く待って下さった編集部の村田譲氏に感謝するとともに，各種の参考書から多くのヒントが得られたことに対し，厚くお礼申し上げます．
2003年2月
著 者
