世界の地方創生
辺境のスタートアップたち

 はじめに

序章 スタートアップは辺境に生まれる 松永安光

 1 辺境から生まれる新しい時代
 2 スタートアップは辺境から
 3 辺境に生まれる観光の新潮流
 4 辺境の森林資源を活用する
 5 辺境に見る文化の多様性
 6 グローバリズムからローカリズムへ

1章 スタートアップを集める木造建築最前線−アルプス地方 松永安光

 1 アルプス地方の概観
 2 ユネスコ・エコパークに建つ先進的木造村役場…ザンクト・ゲロルトとブロンス
 3 地元企業が建設した木造先端建築…ドルンビルンとモンタフォン
 4 企業と人を呼びこむ木造環境共生町役場…ルーデッシュ
 5 森林資源を活かした地域経済循環で生きる国境の村…フリン

2章 廃村危機の救世主アルベルゴ・ディフーゾ−イタリアの村や集落 中橋恵

 1 イタリアの概観
 2 アルベルゴ・ディフーゾの誕生
 3 ローマ近郊の野心的アルベルゴ・ディフーゾ…ザガローロ
 4 廃村の危機からの脱出の試み…カラーブリア州とカンパニア州
 5 負の遺産から再評価・観光地化まで…南部バジリカータ州の洞窟住居
 6 巨額の資金投資を行ったオーナー…ボルゴ・ディ・ムストナーテ

3章 ガストロノミーからの地域創生−ピレネー南麓地方 鈴木裕一

 1 ピレネー南麓地方の概観
 2 カタルーニャの天才シェフと日本の食文化…ピレネー南麓の村にできた日本酒の酒蔵
 3 新進気鋭シェフのサステイナブル・ガストロノミー…アスルメンディ
 4 トップシェフが切り拓いたグルメ・ケータリング…デ・ポンティーゴ・マヘール・クックス
 5 連帯が生む先進のガストロノミー教育…サン・セバスチャンとモンドラゴン

4章 公共精神あふれる小さな民間事業と公の取り組み

−リスボン、ポルト、山賊村 宮部浩幸
 1 ポルトガルの概観
 2 とことん手作りの山賊村キャンプサイト…ドラーヴェ・スカウト・センター
 3 住民とともに住民のために市が進めた住環境改善…リスボン市の住宅政策
 4 スタートアップたちによる工場群の再生…LXファクトリー
 5 若い建築家と人類学者が主導する一階からの街の再生
…レス・デ・シャオン・プロジェクト
 6 世界的地域メディアが公設市場を美食のフードコートに…TIME OUTマーケット
 7 公共の整備を民間がうまく受け止めた難あり広場の再生…インテンデンテ広場
 8 地域の課題を空間デザインで解く建築家…伊藤廉氏のリノベーションプロジェクト

5章 ガストロノミーとラーニング・ツーリズム−ダブリンとグルメ漁港 漆原 弘

 1 アイルランドの概観
 2 スタートアップが持続可能な街を創る…テンプル・バー
 3 生業から生まれたグルメのまち…ホウス
 4 一般の人たちが楽しむラーニング・ツーリズム…ホウス・キャッスル料理学校

6章 アートとビジネスの融合−グラスゴー 漆原 弘

 1 スコットランドの概観
 2 アーティストは小さなビジネス経営者…グラスゴー美術学校
 3 マッキントッシュの遺産がビジネスを助ける…ライトハウス
 4 クラフト・ウイスキーの新しい流れを作る…グラスゴー・ディスティラリー

7章 森林資源の徹底活用−フィンランドの小都市 鷹野敦

 1 フィンランドの概観
 2 相互扶助的な森林資源の活用に取り組む日本企業…ミッケリのミサワホーム
 3 段階的な森林資源の活用に取り組む企業
…製紙会社UPMキュンメネンとバイオマス発電企業
 4 水辺の工場群の廃止を逆手にとった木造建築公園…ラハティ
 5 工場移転後の地域再生に取り組む撤退企業と芸術家…フィスカルスとビルナス

8章 衰退市街地で光る極小予算のエリア再生−台北、台中、嘉義 徳田光弘

 1 台湾の概観
 2 芸術を起点にしたリノベーションの隆盛…台北
 3 市街地の盛衰…台中
 4 旧市街地再生のキーマン…蘇睿弼
 5 再生基地の誕生…台中中區
 6 中區再生基地の取り組み
 7 エリア再生の新旗手たち
 8 規模が対照的な二つのエリア再生…嘉義

  おわりに