自分を生きる働き方
幸せを手作りする6人のワークシフト

プロローグ─「幸福な縮小(ハッピーシュリンク)」という働き方

第1章 「稼ぎすぎない」自由を楽しむ

 週休3日のオーガニック居酒屋と、お米と大豆の自給を組み合わせる
 坂 勝(東京都豊島区)

八年間黒字続きだが儲からない店
「稼ぎすぎない自由」を楽しむ
真面目と不真面目のゴッタ煮が客を呼ぶ
人とつながり、人をつなげる居酒屋
大卒同期一二〇人中三番の出世頭
雑貨売場でクーラーを売ることが評価される職場
お金がないと、人は本当に幸せにはなれないのか
物欲が減り、精神が充実していく実感
得た知識を誰にも伝えないと、ただの自己満足でしかない
「やりたいこと」と「やりたくないこと」を見極める
最低限必要な売上高で店舗経営のハードルを下げる
お店の価値を収支計算だけで考えない
スモールだからこそ持続可能という考え方
お金の使い方を変えると自分が変わる
小さい生業の復興ネットワーク
小さいからこそ世の中を変えられる

第2章 みんなで情熱リノベーション

 お客さんを巻き込み、家を手作りする過程をこそ楽しむ
 中田裕一(神奈川県川崎市)

自分の住む家をプロと一緒に手作りする歓び
手間をかけるから愛着も思い出も増す家づくり
「情熱リノベーション」─発注者と施工業者の交換日誌
築四四年の公団住宅の風合いを活かす
モノがあふれ返る時代に生まれ育った感性
リノベーションの楽しさに目覚める
そこに関わる人が創っていくシェアライブラリー
儲かるキレイへの違和感
見捨てられた家が生まれ変わっていくエネルギー
個人が埋没していくから会社にはしたくない
自分たちが作ったと社員が語れるショールーム計画

第3章 37歳からの豆腐修行

 人に喜ばれる地元密着型の店づくりで、やりがいと健康を取り戻す
 周浦宏幸(千葉県神埼町)

突然の発病
体調を回復させた玄米菜食
理想と現実のギャップ
国産大豆を使って豆腐を作る
直感を大事にして自分に必要なものを引き寄せる
大幅な減収につながる“無謀”な転身
一丁の豆腐に込めた覚悟
生産者と小売店の理想的な関係
小さい町に一軒だからオンリーワンになれる
地産地消のスモールメリット型ビジネス
人から喜ばれる仕事で自分の健康を取り戻す
不特定多数の幸せから、自分なりの幸せをつかむ
丁寧な仕事の積み重ねが引き出す大豆の甘み
几帳面な豆腐が映し出す生き方

第4章 新たな「働き方・生き方」の種をまく

 家族分の食料とエネルギーの5割は自力で作ってみる
 渡邉 尚(宮崎県串間市)

小さないのちに導かれて宮崎へ転居
食料もエネルギーも五〇%の自給がちょうどいい
都市生活者を巻き込む「大豆レボリューション」
都市生活の毒を抜き、生きる活力をもらう
一粒の大豆から教わった「生かされている自分」
身近な穀物なのに自給率はわずか六%
東京の下町の変容と湯治場との出会い
エネルギーを自分たちで手作りするワークショップ
多様な生き方と暮らし方の種まき
発酵する生き方を目指して

第5章 地域と人とつながる有機農業

 キャリア官僚時代には得られなかった自分の役立ちを実感する
 関 元弘・奈央子(福島県二本松市)

ライフとワークがつながれば趣味はいらない
ライフワークに定年はない
朝四時に夫婦でインゲンを収穫する幸せ
官僚の仕事が本当に農家の役に立つのか、という疑問
尊敬できる農家のいる場所に引っ越す
住居費と食費を抑えて、働き直すハードルを下げる
東京では持てなかった、お互いに助け合う文化
就農と田舎暮らしの葛藤を乗り越えて
世間体のいい肩書きより、目に見える役立ち感を優先する
「3・11」後の耕作延期要請
農家の原点に立ち返るきっかけ
農村の自給文化を取り戻す「復興麦酒」
多様性を手作りする働き方と暮らし方

第6章 お金よりも大事なもの

 身近な人たちが幸せになれる社会をめざして働き、学び、生きる
 丹羽順子(タイ北部)

本当に必要なモノだけに削ぎ落す「引き算」生活
被災地緊急支援プロジェクト
被災地と放射能をめぐる葛藤
バックパッカーみたいな裸足のパーソナリティ
古着と持ち主の「想い」を世の中に循環させる x Change
誰でも気軽にできる「ソーシャルイベント」
エピソードタグは「愛着」や「思い出」の価値
家族という小さな絆への人一倍の愛着
出産をきっかけに生活をスローダウンする
福島「おいでプロジェクト」
お金のいらない世界へのこだわり
タイでの「自然と共生する暮らし」の実践

エピローグ─小さいからこそ素晴しい