都市計画の理論

目次

はじめに

第1章 都市計画理論の展開と近年の課題

第1節 都市計画理論とその動向   高見沢実
1 都市計画の理論がめざすもの
2 対話型都市計画理論の意義と限界
3 対話型都市計画理論を超えて

第2節 都市計画理論の歴史的展開と都市計画の公共性   小泉秀樹
1 はじめに
2 日本社会における公共性の変容と多義化の様相
3 公共性の現代的解釈
4 現代的公共概念の特質
5 現代的都市計画の「すがた」

第3節 市場を中心としてみた都市計画理論   浅見泰司
1 都市計画と市場
2 都市計画規制の存在意義
3 都市計画事業の存在意義
4 都市を記述する市場モデル

第2章 都市計画における価値と目標

第1節 都市計画における価値とその実現   高見沢実
1 都市計画を通した人々の価値の実現
2 都市計画の前提の変化 価値との関係からみて
3 新しい都市計画の役割・方法とその課題
4 本章でとりあげているテーマと論点・背景

第2節 「生活の質の向上」と都市計画   野村知子
1 「生活の質の向上」と都市計画
2 「生活の質」に関する「知」のストック
3 「生活の質」の実現手段
4 ヘルスプロモーションにみるWHOの健康政策
5 生活の質の向上に資する「都市計画」のめざすもの

第3節 空間の質と都市計画   木下勇
1 機能から価値へ
2 空間と行為 機能主義的計画論の時代から
3 空間と時間 都市空間への現象学的計画論
4 関係性構築の都市計画論

第4節 モビリティと都市計画   中村文彦
1 都市交通計画のパラダイムシフト
2 都市交通計画の前提条件
3 都市交通の捉え方
4 都市交通計画の理論の変遷
5 都市交通計画の実現過程
6 モビリティのあり方とこれからの都市計画

第5節 環境と共生する都市計画   秋田典子
1 はじめに
2 近代都市における環境の課題:公衆衛生の向上と公害問題の回避
3 1960年代における環境の課題:環境破壊に対する危機感と自然環境保全の市民運動
4 1990年代における環境の課題:持続可能な都市の実現の要請
5 環境と共生する都市計画の理論の検討

第6節 都市計画とソーシャル・キャピタル(社会関係資本)   吉村輝彦
1 はじめに
2 地域の活力の源泉と創出のメカニズム
3 ソーシャル・キャピタルを育むということ
4 おわりに

第3章 都市計画の主体と決定方法

第1節 計画主体理論の再構築をめざして   早田宰
1 新しい計画主体論へのアプローチ
2 近代的計画主体と合理性の形成過程
3 合理性の3つの型
4 計画主体像の再構築へ
5 計画主体形成の各論
6 主体連携のための計画システムの課題

第2節 地域のガバナンスと都市計画  町内会とまちづくり協議会をめぐって   木下 勇
1 地域のガバナンスとは
2 町内会はコミュニティか? まちづくり協議会はアソシエーションか?
3 世田谷区の三地区の事例から
4 コミュニティの領域性とまちづくりの範囲
5 コミュニティと交差するアソシエーション
6 官僚制組織VSアソシエーション から決定権限の分散論
7 対話的行為論
8 まとめに代えて−地域ガバナンスのための重集合的関係

第3節 意志決定問題としてみた都市計画の策定手続   谷下雅義
1 はじめに
2 制度としての決め方
3 計画策定手続の設計(定式化)
4 決定権限の配分問題としてみた震災復興土地区画整理事業(事例)
5 残された課題

第4節 コラボラティブ・プランニング 
    多様な主体による討議にもとづく都市計画への転換   小泉秀樹

1 はじめに
2 現代都市計画において討議はなぜ必要か? 公共性論と多主体討議型都市計画
3 討議型都市計画を支える理論
4 討議型都市計画がみたすべき規範
5 討議型都市計画の実例 :カンザスシティにおける マスタープラン「フォーカス」の策定
6 討議型都市計画からみた日本都市計画の課題

資料:都市計画理論の近年の動向

おわりに