ヒートアイランドの対策と技術

目次

刊行によせて 水野 稔
カラー口絵

1章 ヒートアイランド対策の概念 森山正和

1 対策の基本的考え方
2 地表被覆による対策
3 人工排熱の対策
4 風と市街地形態による対策


2章 ヒートアイランドの現状

2.1 大阪の現状 鍋島美奈子、谷口一郎
1 大阪の人口と土地利用
2 大阪の地勢と気候
3 気温の経年変化
4 真夏日・熱帯夜日数の経年変化
5 海陸風
6 大阪の暑熱化の特徴

2.2 東京の現状 足永靖信、尹聖皖
1 東京の気温
2 夏季の気温と風
3 都市の熱の行方
4 緑・河川の減少
5 ヒートアイランド今昔
6 自然の環境資源の利用

3章 ヒートアイランド現象の環境影響 鳴海大典、下田吉之

1 影響評価の意義
2 ヒートアイランド現象に関する住民意識
3 大阪府におけるヒートアイランド現象の環境影響評価
4 環境影響評価の今後の展開

4章 地表の緑による対策

4.1 都市公園・緑地による対策 河野 仁
1 大阪市の公園・緑地
2 クールスポットの現状
3 規模と気温(空気の輸送と熱収支から見たクールスポット)
4 公園緑地のクールスポット効果の利用

4.2 芝生地と裸地の熱環境比較 鳴海大典
1 教育施設における校庭緑化の現状
2 住宅地内に近接する芝生地と裸地の熱環境比較
3 周辺住宅地に及ぼす影響
4 校庭緑化に関する今後の展望

4.3 地表から大気への熱輸送量の測定 吉田篤正
1 熱輸送量の各種測定方法
2 熱輸送量計測の現状
3 蒸散とは
4 植物からの蒸散量の測定法
5 蒸散量の測定事例と蒸散モデル

5章 建物・道路の対策

5.1 屋上緑化・壁面緑化による対策 三坂育正
1 屋上緑化・壁面緑化の広がり
2 屋上緑化・壁面緑化の課題
3 屋上緑化・壁面緑化による効果
4 建物緑化によるヒートアイランド緩和効果の検証事例
5 建物緑化のヒートアイランド緩和効果に関する研究事例
6 建物緑化に関する今後の展望

5.2 クールルーフによる対策 竹林英樹
1 クールルーフとは
2 アメリカのクールルーフ
3 神戸大学屋上のクールルーフ実験施設
4 クールルーフの効果
5 屋上緑化との住み分け

5.3 街路樹による対策 竹林英樹

1 ヒートアイランド対策としての街路樹
2 街路空間の熱環境の実態
3 街路樹による日射遮蔽の効果
4 街路樹の複合的な効果

5.4 クールペイブメントによる対策 西岡真稔
1 ヒートアイランド現象から見る都市の道路舗装
2 舗装表面温度低減技術:保水性舗装
3 舗装表面温度低減技術:高反射性舗装
4 クールペイブメント普及への期待

6章 人工排熱の影響と対策 下田吉之、鳴海大典

1 人工排熱の排出実態
2 建物からの人工排熱
3 中心業務地区における人工排熱制御のケーススタディ
4 人工排熱と地表面熱収支の量的比較
5 人工排熱の拡散シミュレーション
6 人工排熱の有効対策範囲に関する考察
7 人工排熱の制御に向けて

7章 都市環境気候図による対策 森山正和、田中貴宏

1 都市環境気候図の目的
2 気候分析図の作成
3 計画指針図の作成
4 GISを利用した都市環境気候図の展開

8章 自治体の取り組み

8.1 大阪府の取り組み 奥田孝史
1 対策の必要性
2 ヒートアイランド現象の実態把握
3 大阪府ヒートアイランド対策推進計画
4 対策の推進に向けて

8.2 東京都の取り組み 光本和宏
1 東京の熱環境の現状
2 東京の地表、緑、人工排熱の状況
3 東京都環境基本計画
4 ヒートアイランド対策取組方針
5 2003年度重点事業について
6 温暖化対策と併せたヒートアイランド対策の推進
7 今後の取り組み


あとがき 森山正和
付録1……ヒートアイランド対策大綱
付録2……ヒートアイランド現象緩和のための建築設計ガイドライン