クリエイティブ・フィンランド
建築・都市・プロダクトのデザイン

目次


まえがき
1 水と、緑と、そして広い空の国
2 厳寒の国の人々の豊かな情緒と冷静さ
3 10年という歳月

CHAPTER 1 辺境の土地が育んだ建築

1 ヨーロッパ最果ての熊の国──エンゲルの首都建設
2 棟梁の心意気──土着建築の豊穣さ
3 華やかな外装という落とし穴──ナショナル・ロマンティシズムの失策
4 都市計画を建築家の手に──ナショナル・ロマンティシズムの効能
5 時代の終着と始発を告げる中央駅──モダニズムへの転換
6 旅愁のイタリア──古典主義への傾倒
7 アールト永遠のライバル──エリック・ブリュッグマン
8 建築家が見た都市の将来像──アルバ・アールト
9 機能主義の到来──ヘルシンキ・オリンピック
10 合理主義のダンディズム──ヴィルヨ・レヴェル
11 民族大移動の光明──戦後復興の住宅供給と都市計画
12 野蛮主義(ブルータリズム)のエレガンス──アールノ・ルースヴォリ
13 ミニマルな空間、粋な演出──ヘイッキ&カイヤ・シレン夫婦
14 有機系リージョナリズム──レイマ&ライリ・ピエティラ夫婦
15 モダニズムの束縛とポストモダニズムの誘惑──アルト・シピネン
16 森と自然を昇華した建築──ユハ・レイビスカ
17 大不況下のポストモダニズム──ヘイッキネン-コモネン事務所

CHAPTER 2 調和を追求する都市計画

1 居心地のよい街の条件
2 時代が求めた理想の都市
3 建築家が担う都市計画
4 豊かな環境を保証する法律
5 4段階の都市計画と組織連携
6 オーダーメードの土地利用計画
7 市民は都市計画の監視役
8 古き良き街並みの保存
9 環境保護の舞台裏
10 街の調和に効く建築許可

CHAPTER 3 実践的な建築教育と仕事の現場

1 多様な生き方から適職を選ぶための入試
2 一人前の建築家を育てる教育
3 実践的な大学教育は建築家の予行練習
4 産学連携という国家戦略
5 建築家の仕事はドアノブから都市まで
6 女性建築家を育む社会
7 オーダーメードの働き方
8 老いも若きも熱狂するコンペ
9 街並み保存の不易流行
10 建築の種の保存と多様性の保護
11 街を豊かにするコンバージョン建築
12 老舗雑誌は建築界のご意見番
13 世界に売り込むフィンランドというブランド

CHAPTER 4 居心地のよい暮らしのデザイン

1 充実のライフスタイルは環境から
2 フィンランド人のユートピア
3 チャレンジ精神溢れる名作住宅
4 憧れのサマーコテージ
5 サウナの流儀
6 建築や都市に対する市民の感度
7 記録保存という使命
8 都市住宅の秘密
9 地球に優しいお得な住み替え
10 マイホームの価格は土地より改修で決まる
11 生活の知恵から生まれたアンティーク
12 良品家具の流通が戦後復興のカギ──アルテック
13 機能を遊び心で包み込む──アンティ・ヌルメスニエミ
14 シンプルさの極み──カイ・フランク
15 材料と造形の調和──タピオ・ヴィルッカラ
16 使いやすさの美学──フィスカス
17 女性を応援するものづくり──マリメッコ

CHAPTER 5 2000年代のフィンランド

1 港町ヘルシンキで最高の景観
2 伝統と新しい息吹の不協和音
3 グローバル時代の建築
4 最新建築事情
5 次代を創造するデザイナー

キーワード・インデックス(建築ガイド/人物プロフィール)
あとがき
参考文献・写真提供