町家再生の創意と工夫


書 評
『新建築住宅特集』((株)新建築社)2005. 8
  リフォーム・ブームはさまざまな角度からマスコミを賑わせている。なかでも伝統的な町家の改修は、視覚効果からもその「華」といえよう。京町家作事組は、1999年4月、京町家再生研究会を母体としてその実践活動部門を継承する形で設立。6年間で、相談件数は260件、100万円以上の改修工事は60件に達するという。建築基準法の不適格建築物をどうとらえ、どう直していくのか。町家の歴史を見据えたうえで実例ごとに展開される「作法と手順」は、その真摯な活動の成果をよく伝えてくれる。2002年発刊の『町家再生の技と知恵』に続き、町家改修に携わる人だけでなく、日本の伝統的な住まいに関心をもつ多くの人に一読を勧めたい。