第2部をはじめるにあたって

三船康道(エコプラン)

 第2部は実際に活用している方々に出ていただき、その経緯などの話をしていただきたいと思います。先程の東大もそうですが、これから話される方々も今回出版された本に掲載させていただいていますが、ここではもう少し別な話も聞ければと思っています。
 最初は「江戸時代の蔵を保存し活用する」と題して村守恵子さんです。村守さんは、台東区の雷門で江戸時代の2間と2間半の蔵を活用され、これをギャラリーとして、併設の喫茶店とともに「ギャラリー・エフ」を経営されています。活用の最小単位ではないかと思います。2番目にはこの本郷で旅館を経営されている「鳳明館」さまから小池邦夫さんに来ていただきまして、「こだわりを持った和風旅館」の話をしていただきます。鳳明館はご存じの方も多いと思いますが、本館と台町別館、森川別館があり、それぞれ違った雰囲気で、各部屋が全て異なり行くたびに違う感じの部屋に泊まれます。最近は和風の雰囲気を求めて宴会に利用するお客様も増えています。
会場となった東京大学工学部1号館第15教室
 その次は「はん亭」の高須治雄さんに「はん亭物語」のお話していただきます。はん亭は根津2丁目にある串揚げ屋さんで木造3階建ての建物として有名です。また、蔵の中の席がありますが、予約しないと入れないくらい人気があります。最後は、西片で明治時代の木造の住宅を「ル・リス・ダン・ラ・バレ」というレストランに改造した有馬涼子さんから「愛する家をレストランに」と題しましてお話をいただく予定です。今日は終了後そこで懇親会をする予定です。そして事例報告のあとは、住宅金融公庫で新たに出来た、歴史的な建物のリフォームに対する融資制度について菅沼康雄さんから説明していただきます。そして最後に本日のセミナーのまとめとして千葉大学名誉教授の大河直躬先生から「これからの活用」と題して話していただきます。
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