日本の都市環境デザイン

第3部 はじめに


 都市や地域整備のプロジェクトにおける計画水準の高まり、 あるいはデザイン的良質さの具体例をさまざまの場所で感じ、 見てとる機会がふえている。 その多くに都市デザインに関わる専門家たちが参画しており、 この作業が社会的な位置を獲得し始めていることが実感できる。 もういっぽうで、 そういった計画的プロジェクトではなく、 いわば自然に出来上がってきた街であるが、 見渡してみると大いに魅力的な環境が生まれているといった事例にも事欠かない。

 そこで、 計画者やデザイナーなしに形成された、 バナキュラーだが面白そうな街の形成過程を探り、 その魅力・面白さの秘密を描き出すことを考えてみた。

 この第3部の目的は、 こんな街を会員のほか学生・所属組織の若手などによるフィールドサーベイ型の生き生きしたレポートによって紹介することである。 ここでは、 各ブロックから上げてもらった候補地区のなかから最終的に8地区を掲載している。 なお、 「でき上がってきた面白い街」はつぎの定義に沿うものとした。

 膨大な都市地域の隅々にわたって都市デザイン会議のメンバー等専門家だけの手で企画・デザインすることは不可能である。 さらに多様なまちづくりのポリシーや、 環境デザインのしくみが開発され広まっていく必要もある。 このような意味からも、 『でき上がってきた面白い街』の紹介が役立つところは大きいと思われる。

 この第3部は、 田端修(大阪芸術大学)、 宮前保子(潟Xペースビジョン研究所)、 錦織英二郎(且ミ会空間研究所)の3名が企画編集を担当した。


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学芸出版社『日本の都市環境デザイン 85〜95』

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