大型店とドイツのまちづくり中心市街地活性化と広域調整
■■内容紹介■■ 地域間競争を勝ち抜くための郊外大型店誘致と、一方での中心市街地の衰退。都市計画的な規制が整備されていると信じられているドイツにも、日本と同様の摩擦は存在する。経済効果や雇用創出をめぐってせめぎ合う自治体、苦闘する自治体職員・議員・商店主・住民・コンサルタント。揺れ動く都市計画の運用実態をドイツに追う。 著者紹介阿部 成治(あべ じょうじ) 1948年 生まれ 推薦文都市づくりの実態を追った、迫力あるドキュメント京都大学名誉教授・関西福祉大学教授 三村浩史都市づくり経営能力が問われる=シティ・マネージメントの時代。ところが日本では、都心商業地の空洞化を大型店進出のせいにする。都市再開発や産業団地の開発事業の失敗も不況のせいにする。安易で他人事のような帰結だ。 これに比べると、ドイツでは市長も議員も行政スタッフも公益性に立つタフ・ネゴシエーターである。まるで都市づくりの格闘技をみているようだ。この本を読むとわが国の政治家も行政スタッフもコンサルタントも、そして市民も、真の地方自治に求められる自己責任というにはまだまだ甘いところがあると痛感させられる。 著者は、都市計画の研究者。とりわけドイツの都市計画にくわしい。理路整然としたまちづくり制度を紹介するだけではなく、その運用の実態を、現地観察、面接、地元資料の検索など何回も取材して、彼らの意思決定の過程を迫力あるドキュメントとして再現している。 読み進めるうちに、ともすれば密室取引になりがちなこの種の交渉過程を、市民にたえず情報公開しながら支持力を得ていくドイツの地方政治の姿が立ち上がってくる。
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