まちづくりの経済学
目 次
第1章 経済学の考え方
1・1 機会費用という概念 11
私的立場と社会的立場
1・2 お金の時間的価値 14
利子率 /複利計算 /割引計算と割引率 /資本の機会費用
1・3 市場の失敗・政府の失敗 18
市場の機能 /公共財 /不可分性 /外部性
不十分な知識 /独占 /資源の非移動性 /不可逆性
価値要求 /所得分配 /経済の安定化 /政府の失敗
付論1 混雑の社会的費用:交通混雑の外部性の検討 34
第2章 最適な投資の決め方−−DCF法
2・1 キャッシュ・フローの重要性 41
2・2 不動産需要と開発 42
不動産開発 /民間部門と公共部門の開発
2・3 投資の評価方法 「「 簡便法 46
2・4 投資の評価方法 「「 DCF法 48
NPV(正味現在価値) /IRR(内部収益率) /収益率の意味
NPVとIRR:「相互に排他的なプロジェクト」の評価方法
借入金利と資本の機会費用 /年金係数
「相互に排他的なプロジェクト」:もう一つの例
2・5 割引率の決め方 60
リスクと不確実性 /流動性 /インフレーション
2・6 投資評価におけるリスクとインフレーションの扱い方 64
割引率の調整 /感度分析 /確率分析 /インフレーションの扱い方
2・7 キャッシュ・フロー(DCF法の基本)についての補足説明 73
残存価値について /建設期間中の利子について
減価償却について /埋没費用について /利子の免税効果について
2・8 投資のレバレッジ効果について 78
第3章 望ましい公共投資の決め方−−費用便益分析(CBA)
3・1 公共事業の問題点と費用便益分析の役割 82
3・2 社会的厚生水準の極大化 85
ポテンシャル・パレート改善
3・3 費用便益分析の基本 「「 便益 88
消費者余剰 /乗数効果について
3・4 費用便益分析の基本 「「 費用 91
投入財の機会費用 /労働力の機会費用 /土地の機会費用
3・5 費用便益分析の手順 94
どこまでの「費用」「便益」を分析に含めるべきかを考える
「費用」「便益」の大きさを測定する /「割引率」を決める
誰がどの程度「得」をし、誰がどの程度「損」をするかを検討する
3・6 費用便益分析の進め方の簡単な例 101
どこまでの「費用」「便益」を分析に含めるべきか
交通渋滞の費用 /駐車禁止のために失われる便益
その他の費用・便益 /正味現在社会的価値(NPSV)を求める
誰がどの程度「得」をし、誰がどの程度「損」をするかを検討する
3・7 非市場財の価格付け 114
リクリエーション /時間の節約 /人命
第4章 都市開発のメカニズム−−土地の価値・公共投資・アメニティ
4・1 建物の経済的寿命 「「 日本の建物の寿命はなぜ短い 122
簡単な例 /タイミングの問題 /短い日本の建物の寿命
4・2 需要が決める建築投資の最適規模と土地の価値 126
一つの仮想例 /土地(敷地)の価値の決定
建替えの場合の建築投資の検討
4・3 土地の価値に影響する立地条件 134
残余価値に影響するもの /土地の市場価格と残余価値の違いについて
4・4 計画規制は土地の価値にどう影響するか 139
計画規制の役割 /形態規制の効果
用途規制の効果 /アメニティと土地の価値
4・5 公共投資は土地の価値にどう影響するか 145
誰が得をするのか /誰もが得をするアメニティ社会
ジェントリフィケーションは避けられるか /開発利益の還元と損失補償
第5章 まちづくりを阻害するものは何か−−土地投機と税制
5・1 日本の土地問題 153
計画規制の甘さ
5・2 土地の留保需要と市場供給 157
5・3 投機需要とキャピタル・ゲイン課税 159
キャピタル・ゲインとは /キャピタル・ゲイン課税がなぜ必要か
譲渡所得税の凍結効果について /土地保有税について
5・4 その他の税制の問題点 167
企業優遇税制 /地価高騰を促した相続税の節税対策
5・5 土地問題の解決がもたらす問題 172
土地所有者は損をするか /土地担保金融は守るべきか
第6章 都市はなぜ大きくなるのか−−都市化と逆都市化
6・1 都市の土地利用と地価 176
チューネンのモデル /輸送費の変化 /一般的アクセシビリティ
公団賃貸住宅の均衡家賃とアメニティ /土地利用モデルの限界
6・2 都市の成長と衰退 190
需要面からの説明 /供給面からの説明
6・3 都市成長の制約と衰退要因 198
成長を制約する要因 /成長自身に内在する要因
6・4 先進国の逆都市化現象 202
欧米で始まった逆都市化 /逆都市化の要因は何か?
日本では、なぜ逆都市化が生じないのか? /逆都市化がもたらす得と損
付論2 リボン・ディベロップメントがもたらす地方都市の衰退 210
第7章 経済学は美しい街をつくれるか−−高齢社会に向けて
7・1 高齢社会とまちづくりの課題 215
高齢者の自立を高めるまちづくり /徒歩で生活できるまちづくり
安全なまちづくり
7・2 まちづくりにおける経済学の限界 220
経済学者と都市計画家との対立 /経済学の限界
7・3 美しいまちをつくる 227
コラム
- 知的所有権の限界費用 22
- 新行政経営と費用便益分析 32
- ゼロ金利なら理論上の地価は無限大 58
- 不動産の証券化は救世主になるか 62
- 無駄な公共事業をやめるには 83
- PFIで何かが変わる? 113
- 自由放任・規制緩和が最高? 118
- 建物の寿命を縮める都市計画 125
- ニュー・アーバニズムってなに 149
- 地価の下落は本物か? 160
- キャピタル・ゲイン課税のリアリティは 166
- ヘドニック・プライスについて 186
- アメニティは経済に効く? 200
- 経済が先か、美しさが先か 229
参考文献 231
索引 233
あとがき 237
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